人材開発支援助成金の申請の流れ

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正規雇用者の職務能力向上のため、積極的に人材育成に取り組む中小企業者や小規模事業者等を支援する制度に、人材開発支援助成金があります。

訓練や研修を実施する際にかかる経費や、訓練実施期間中の給与が補われるため、費用を抑えて効果的に人材育成に取り組みたい事業者にとって、メリットが大きい制度です。

この記事では、人材開発支援助成金の申請の流れと、申請時の注意点について解説します。

 

人材開発支援助成金の申請の流れ

①職業能力開発推進者の選任

人材開発支援助成金を申請するには、職業能力開発推進者を選任する必要があります。職業能力開発推進者は、訓練計画の作成や実施に関する相談や指導を担うもので、人事担当責任者や人事労務管理者が担当することが多いです。

 

②訓練計画の作成

正規雇用者に対して、どのような訓練や研修を受講させるかといった計画を立て、事業内職業能力開発計画を策定します。自社の経営方針や経営理念に基づいて作成するよう心がけましょう。

 

③訓練計画の提出

訓練開始日の前日から数えて1ヶ月前までに、自社所在地を管轄する労働局に訓練計画届及び必要書類を提出します。

必要書類については、助成対象やコースによって異なるため注意が必要です。

 

④訓練の実施

訓練計画に沿って、訓練や研修を実施します。事業内訓練、事業外訓練の場合も、訓練中に支払った経費を確認できる書類は全て保存しておきましょう。また、社内講師が訓練を行う場合は訓練日の出勤状況がわかる書類も必要です。

 

⑤支給申請書の提出

訓練終了後2ヶ月以内に、労働局へ支給申請書を提出します。

複数名訓練受講者がいた場合、研修を一番最初に修了した受講者の、修了日から起算して2ヶ月以内でなければ受理されません。締切まで余裕を持って提出できるようにしましょう。

 

⑥助成金の受給

支給申請の審査は早ければ2ヶ月、長ければ1年半ほどかかることがあります。

審査が終わると、労働局より支給決定通知書が届けられます。その後2週間ほどで、指定した口座に助成金が送金され、受給完了となります。

 

人材開発支援助成金申請時の注意点

人材開発支援助成金の対象となる労働者の条件は、雇用保険に加入していることや、正規雇用者であることです。キャリアアップ助成金とは異なり、有期雇用労働者は対象外である点に注意が必要です。

また、人材開発支援助成金は2022年時点で8つのコースが設けられており、各コースによって申請要件が異なります。訓練計画書を提出する前に別の手続きが必要なものもあるため、事前に十分確認しましょう。

 

まとめ

人材開発支援助成金をはじめとする助成金は、要件を満たして申請すれば基本的に誰でも受給することができます。

人材育成に関する自社の課題に合わせて8つのコースの中から適したコースを選べる点もメリットが大きいです。

申請自体もそこまで複雑ではないので、正規雇用者の人材育成を考えた時に、一番最初に活用しやすい制度でしょう。