経済上の理由によって事業活動の縮小を余儀なくされた際に、従業員の雇用を守りたいと考える事業主の方が活用することができる制度のひとつに、「雇用調整助成金」があります。
今回は、同制度について、制度概要、公募要領、募集スケジュール、手続き方法、よくあるQ&A等について詳しく解説いたします。
雇用調整助成金とは?わかりやすく解説
対象者 | 雇用保険適用事業所 |
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利用目的 | 経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、雇用の維持を図るための休業手当に要した費用を助成することを目的とした制度です。 |
対象経費 | 休業手当、教育訓練、出向等による雇用維持の為に支出した金額。 |
給付額 | (1)休業を実施した場合の休業手当または教育訓練を実施した場合の賃金相当額、出向を行った場合の出向元事業主の負担額に対する助成(率)
※対象労働者1人あたり8,265円が上限です。(令和3年8月1日現在) 中小企業2/3 中小企業以外 1/2 (2)教育訓練を実施したときの加算(額) (1人1日当たり) 1,200円 |
申請期間 | 判定基礎期間終了後2か月以内 |
「雇用調整助成金」は、産業構造の変化や景気の変動等の経済的な理由によって事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、従業員の雇用の維持を図る為に休業手当を支給した際に要した費用の一部を助成することを目的とした制度です。
休業のみならず、教育訓練や出向による雇用維持を行った際にも助成金を受給することができます。
雇用調整助成金の募集要項
対象者
雇用保険適用事業所
利用目的・事業目的
経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、雇用の維持を図るための休業手当に要した費用を助成することを目的とした制度です。
申請要件
受給するためには、次の要件のいずれも満たすことが必要です。
- (1)雇用保険の適用事業主であること。
- (2)売上高又は生産量などの事業活動を示す指標について、その最近3か月間の月平均値が前年同期に比べて10%以上減少していること。
- (3)雇用保険被保険者数及び受け入れている派遣労働者数による雇用量を示す指標について、その最近3か月間の月平均値が前年同期に比べて、中小企業の場合は10%を超えてかつ4人以上、中小企業以外の場合は5%を超えてかつ6人以上増加していないこと。
- (4)実施する雇用調整が一定の基準を満たすものであること。
- 〔1〕休業の場合 労使間の協定により、所定労働日の全一日にわたって実施されるものであること。(※1) ※1 事業所の従業員(被保険者)全員について一斉に1時間以上実施されるものであっても可。
- 〔2〕教育訓練の場合 〔1〕と同様の基準のほか、教育訓練の内容が、職業に関する知識・技能・技術の習得や向上を目的とするものであり、当該受講日において業務(本助成金の対象となる教育訓練を除く)に就かないものであること(※2)。
- 〔3〕出向の場合 対象期間内に開始され、3か月以上1年以内に出向元事業所に復帰するものであること。
- (5)過去に雇用調整助成金の支給を受けたことがある事業主が新たに対象期間を設定する場合、直前の対象期間の満了の日の翌日から起算して一年を超えていること。
対象経費
休業手当、教育訓練、出向等による雇用維持の為に支出した金額。
給付額
(1)休業を実施した場合の休業手当または教育訓練を実施した場合の賃金相当額、出向を行った場合の出向元事業主の負担額に対する助成率
※対象労働者1人あたり8,265円が上限です。(令和3年8月1日現在)
中小企業2/3
中小企業以外 1/2
(2)教育訓練を実施したときの加算(額)
(1人1日当たり)
1,200円
申請期間
判定基礎期間終了後2か月以内
雇用調整助成金の募集スケジュール
「雇用調整助成金」は、通年での募集が行われており、自社の実情に合わせて制度活用を行うことができます。
ただし、助成金の支給申請は、判定基礎期間終了後の2か月以内に行う必要がある点にはご留意ください。
雇用調整助成金の申請・手続き方法
「雇用調整助成金」を受給するためには、まず休業等実施計画書に必要書類を添えて管轄労働局へと提出します。
支給対象期間毎に、判定基礎期間の末日の翌日から2か月以内に支給申請書に必要な書類を添えて管轄労働局宛に助成金の支給申請を行います。
必要書類
1.雇用調整事業所の事業活動の状況に関する申出書
2.支給要件確認申立書・役員等一覧
3.休業教育訓練実績一覧表
4.助成額算定書
5.(休業等)支給申請書
6.休業協定書(労働組合等との確約書等でも代替可)
7.事業所の規模を確認する書類
8.労働・休日の実績に関する書類
9.休業手当・賃金の実績に関する書類
雇用調整助成金のQ&A
雇用調整助成金にメリット・デメリットはありますか?
「雇用調整助成金」を活用するメリットは、休業のみならず教育訓練や出向等幅広い形による雇用調整を実施することで助成金が支給され、雇用の維持を図れるということが挙げられます。
一方で、助成金を受給する為には煩雑な手続きが伴い、意図せずして不正受給を行ってしまうケースもあります。
自社での手続きが困難な場合には、社会保険労務士によるサポートを受けることもご検討ください。