政府より、宿泊業を営む事業者が活用できる補助金・助成金制度が設けられています。
自社HPやECサイトの構築、多言語対応、宿泊施設の改装、新サービスの導入などは、補助金・助成金制度を活用することで効果的に推進することができます。
今回は、その中でも特に活用しやすい補助金・助成金制度を15個ピックアップしました。
採択・支援事例
宿泊業で活用できる補助金・助成金制度は、自社HPやECサイトの構築、多言語対応、宿泊施設の改装、新サービスの導入などで採択・支援事例があります。
顧客満足度の向上やリピーターの確保、非対面型サービスの提供、優秀な人材の確保などを目指す事業者の方は、補助金・助成金制度の積極的な活用をご検討ください。
経営改善
事業再構築補助金
「事業再構築補助金」は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、当面の需要や売り上げの回復が期待しづらい中、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するために、事業転換、業種転換、業態転換、又は事業再編という思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援するために、予算の範囲内において補助金を交付することを目的とした制度です。
本制度の採択事例ととしては、都市型リゾート住宅によるワーケーション等向け宿泊事業への新分野展開、コワーキング施設を持つインバウンドに対応したホテルの運営などが挙げられ、従業員数21〜50名以下の中小企業の場合には1事業者あたり最大4,000万円の交付が予定されています。
対象者 | ※以下、成長分野進出枠(通常類型)の場合 事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業者で事業計画を金融機関等や認定経営革新等支援機関と策定し、確認を受けていること 補助事業終了後3~5年で付加価値額の年平均成長率4.0%以上増加、または従業員一人当たり付加価値額の年平均成長率4.0%以上増加、事業終了後3~5年で給与支給総額を年平均成長率2%以上増加させること。 取り組む事業が、過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種・業態に属していること |
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給付額 | 【従業員数20人以下】100万円~1,500万円(2,000万円) 【従業員数21~50人】100万円~3,000万円(4,000万円) 【従業員数51~100人】100万円~4,000万円(5,000万円) 【従業員数101人以上】100万円~6,000万円(7,000万円) カッコ内は短期に大規模な賃上げ(事業終了時点で、①事業場内最低賃金+45円、②給与支給総額+6%を達成)を行う場合。 また、廃業を伴う場合には、廃業費を最大2,000万円上乗せする。 |
申請期間 | 2024年4月23日(火)〜2024年7月26日(金)まで |
業務改善助成金
「業務改善助成金」は、生産性向上に資する設備投資等(機械設備、コンサルティング導入や人材育成・教育訓練)を行うとともに、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げた場合、その設備投資などにかかった費用の一部を助成することを目的とした制度です。
本制度の採択事例としては、外国人向け民泊からワーケーション型コンドミニアムへの業態転換、日帰り入浴事業開始と温泉化のための設備投資などが挙げられ、30円コースの場合には1事業者あたり最大120万円の交付が予定されています。
対象者 | ※以下、30円コースの場合 (1)中小企業・小規模事業者であること。 (2)事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内である こと。 (3)解雇、賃金引き下げなどの不交付事由がないこと。 |
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給付額 | 上限130万円 |
申請期間 | 2024年12月27日(金)まで |
宿泊施設サステナビリティ強化支援事業
「宿泊施設サステナビリティ強化支援事業」は、訪日外国人旅行者の受け入れに向け、旅館・ホテル等の宿泊施設が実施するサステナビリティの向上に関する取組みを支援するために、予算の範囲内において補助金を交付することを目的とした制度です。
本制度が採択された場合には、1事業者あたり最大1,000万円の交付が予定されており、省エネ型空調、省エネ型ボイラー、配管等、二重サッシ等、太陽光発電、蓄電設備、節水トイレ等の導入を効果的に推進することができます。
対象者 | 宿泊事業者。ただし、同一事業者からの4施設以上分の本補助金への申請はできません。 以下に該当する事業者が本事業に申請可能です。 ①宿泊業の高付加価値化のための経営ガイドラインに基づく登録制度(高付加価値経営旅館等登録規程(令和5年観光庁告示第3号))の登録を受けた方、又は同制度の登録申請をされた方。 ②①の登録又は登録申請はしていないが、金融商品取引法第24条に基づき有価証券報告書を内閣総理大臣に提出する会社又はその子会社及び関連会社であり、かつ観光施設における心のバリアフリー認定制度の認定を取得済み又は1年以内に取得予定である方。 |
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給付額 | 上限1,000万円 補助率1/2以内 |
申請期間 | 2024年8月1日(木)〜2024年8月30日(金)まで |
インバウンド安全・安心対策推進事業
「インバウンド安全・安心対策推進事業」は、観光施設等における非常時等の対応や医療機関の訪日外国人旅行者への対応の強化を図ることで、安全・安心な訪日旅行環境を整備し、滞在時間の増加や消費拡大を目指すために、予算の範囲内において補助金を交付することを目的とした制度です。
本制度の採択事例としては、トイレの洋式化、非常用電源装置の整備、デジタルサイネージの整備、キャッシュレス決済環境の整備、専門家による現地調査などが挙げられ、1事業者あたり最大500万円の交付が予定されています。
対象者 | 民間事業者、地方公共団体、DMO等 |
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給付額 | 上限500万円 |
申請期間 | 2024年6月3日(月)〜2024年9月27日(金)まで |
設備投資
省エネ設備等導入支援事業
「省エネ設備等導入支援事業」は、宿泊施設・観光施設等における省エネ設備等の導入に要する経費の一部を助成することにより、インバウンドの本格再開に備え宿泊施設のサステナビリティの向上に関する取組を支援することを目的とした制度です。
本制度の採択事例としては、宿泊施設・観光施設等における省エネ設備等(省エネ型空調、太陽光発電)の導入支援などが挙げられ、1事業者あたり最大1,000万円の交付が予定されています。
対象者 | 次の要件を満たす民間事業者等とします。 1.日本に拠点を有していること。 2.本事業を的確に遂行する組織、能力、人員等を有していること。 3.本事業を円滑に遂行するために必要な経営基盤を有し、かつ、資金等について十分な管理能力を有していること。 4.国が本事業を推進する上で必要とする措置を、適切に遂行できる体制を有していること。 5.本事業において知り得た情報の秘密保持を徹底できること。なお、過去の観光庁の事業において、情報漏洩を含む情報管理上の不適切な事案を発生させた者は、その際に講じた再発防止策の遵守を徹底できること。 6.本事業終了後、補助事業者の財産処分手続や会計検査対応のために必要となる文書を、必要な期間保存できること。 7.応募事業者等の経営者又は役員が、暴力団等の反社会的勢力でなく、反社会的勢力との関係を有しないこと。また、反社会的勢力から出資等の資金提供を受けている場合も対象外とする。 8.法令遵守上の問題を抱えていないこと。 9.国土交通省からの補助金交付等停止措置又は指名停止措置が講じられている者ではないこと。 |
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給付額 | 上限1,000万円 補助率1/2以内 |
申請期間 | 2023年2月24日(金)〜2023年3月10日(金)まで 2023年4月24日(月)〜2023年5月24日(水)まで |
観光地・観光産業における人材不足対策事業
「観光地・観光産業における人材不足対策事業」は、宿泊業が抱えている人手不足を解消するための設備投資やサービスの導入に関わる経費の一部を支援することを目的とした制度です。
本制度の採択事例としては、自動チェックイン機・無人化のための機械導入、予約管理システムの導入、AI機器・設備の設置、清掃ロボット等の購入、献立管理システムの導入などが挙げられ、1事業者あたり最大500万円の交付が予定されています。
対象者 | 次の要件を満たす民間団体等(コンソーシアム形式も可)とします。 コンソーシアム形式による申請の場合は、幹事者を決めていただくとともに、幹事者が事業提案書を提出してください。ただし、幹事者が業務の全てを他の者に再委託することはできません。 [1] 日本に拠点を有していること。 [2] 本事業を的確に遂行する組織、能力、人員等を有していること。 [3] 本事業を円滑に遂行するために必要な経営基盤を有し、かつ、資金等について十分な管理能力を有していること。 [4] 国が本事業を推進する上で必要とする措置を、適切に遂行できる体制を有していること。 [5] 本事業において知り得た情報の秘密保持を徹底できること。 [6] 本事業終了後、補助事業者の財産処分手続や会計検査対応のために必要となる文書を、必要な期間保存できること。 [7] 応募事業者等の経営者又は役員が、暴力団等の反社会的勢力でなく、反社会勢力との関係を有しないこと。また、反社会的勢力から出資等の資金提供を受けている場合も対象外とする。 [8] 法令順守上の問題を抱えていないこと。 [9] 国土交通省からの補助金交付等停止措置又は指名停止措置が講じられている者ではないこと。 [10] 間接補助事業者の採択において直接の利害関係を生まないこと。 |
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給付額 | 上限500万円 補助率1/2以内 |
申請期間 | 1次公募:2024年3月29日(金)〜2024年5月31日(金)まで 2次公募:2024年7月1日(月)〜2024年8月9日(金)まで |
IT化
IT導入補助金
「IT導入補助金」は、中小企業・小規模事業者等が生産性向上に役立つITツールを導入する際に、必要となる経費の一部を予算の範囲内において補助することを目的とした制度です。
本制度の採択事例としては、宿泊業のオンラインショップ制作、セルフチェックイン機器の導入、PMSとサイトコントローラー導入によるフロント業務と館内の情報伝達の効率化などが挙げられ、1事業者あたり最大450万円の交付が予定されています。
対象者 | ※以下、通常枠の場合 IT導入補助金の対象となる中小企業の業種は次の通りです。資本金や従業員数(常勤)のうち、どちらか一方が下記以下であれば、補助金の対象となります。 製造業、建設業、運輸業…資本金3億円、従業員300人 卸売業…資本金1億円、従業員100人 サービス業(下記業種を除く)…資本金5,000万円、従業員100人 ソフトウエア業又は情報処理サービス業…資本金3億円、従業員300人 旅館業…資本金5,000万円、従業員200人 小売業…資本金5,000万円、従業員50人 ゴム製品製造業(タイヤ製造業等を除く)…資本金3億円、従業員900人 その他の業種…資本金3億円、従業員300人 |
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給付額 | 上限450万円 |
申請期間 | 1次締切:2024年3月15日(金)まで 2次締切:2024年4月15日(月)まで 3次締切:2024年5月20日(金)まで 4次締切:2024年6月19日(水)まで 5次締切:2024年7月19日(金)まで 6次締切:2024年8月23日(金)まで |