コロナ禍において、外出自粛要請や時短要請により卸売業・小売業は多大に影響を受けました。
卸売業・小売業がコロナ禍及び今後アフターコロナにおいても安定営業ができるよう、政府より補助金・助成金が公布されています。
売れ行き減少による和牛補完に対する補助金、卸売業・小売業を支える農業の担い手の支援、業務改善や生産性向上のためのIT導入補助など、活用しやすい補助金・助成金は多数公布されています。
その中で卸売業・小売業向けであり活用しやすい補助金・助成金を4つお伝えします。
設備投資
和牛肉保管在庫支援緊急対策事業(ALIC事業)
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、入国制限によるインバウンド需要の停止や、外出規制や時短営業要請による外食の需要が大幅に低下しました。
そのため、和牛肉の需要が低下し、価格が急落。これに伴って、和牛肉在庫が積み上がっており、売上減少ばかりか保管費用も増大しています。
この状況が続けば、食肉卸売事業者にとっての経営環境だけでなく、国内の牛肉の生産にも悪影響が及んでしまう懸念があります。
このため、コロナ禍においての販売促進や拡大に取り組む食肉卸売事業者に対して、新型コロナウイルス感染拡大により販売不振となって積み上がったままの在庫の保管料を支援することにより、食肉卸売事業者の営業維持と和牛肉の円滑な流通を促進するものです。
対象者 | 販売促進に取り組む食肉卸売事業者 |
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給付額 | 在庫牛肉保管等経費支援事業として
(1)加工 (2)輸送 (3)保管等 (4)金利 |
申請期間 | 令和2年度~令和4年度 |
令和3年度強い農業・担い手づくり総合支援交付金(生産事業モデル支援タイプ)
地域農業者の減少や天候不順を乗り越えて安定的な国産品への需要を満たす生産者確保が必要となります。
そのため、生産者の作業支援を行いつつ、新たな生産事業モデルの育成が必要です。
本支援交付金は
・面積の拡大に必要な農業用機械の導入や施設の適切配置
・農作業の分業や受託体制の推進
・生産安定化のための新たな技術の導入
を支援し、安定的な国産品の製造と共有を支援するものです。
対象者 | 農業協同組合、農業協同、組合連合会、農事組合法人、農事組合法人以外の農地所有適格法人、特定農業団体、それに関わる民間事業者 |
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給付額 | ① 産地基幹施設等支援タイプ ・補助率 :1/2以内等 ・上限額 :20億円等② 先進的農業経営確立支援タイプ ・補助率 :融資残額 (事業費の3/10以内)等 ・上限額 :個人1,000万円、法人1,500万円等③ 地域担い手育成支援タイプ ・補助率 :融資残額(事業費の3/10以内)等 ・上限額 :300万円等 ④ 生産事業モデル支援タイプ ⑤ 農業支援サービス事業支援タイプ |
申請期間 | 令和3年4月12日(月)~令和3年4月28日(水)(必着) |
業務改善助成金
中小企業・小規模事業者の事業場内で最も低い賃金の引上げを推進するための制度となります。
生産性向上のために新たな設備投資等を行って、労働者の時給を引き上げた事業主に設備投資等の費用を一部助成します。
例えば、手作業で行っていた作業を機械を導入することにより、一人当たりの業務が効率化し生産性が向上することが労働者の時給引き上げに繋がるため、その設備投資に対して助成を行う意図があります。
対象者 | 事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が30円以内 事業場の中小企業・小規模事業者の事業場規模が100人以下 |
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給付額 | 【事業場内最低賃金850円未満】 補助率4/5 生産性要件を満たした場合は 補助率9/10【事業場内最低賃金850円未満】 補助率4/5 生産性要件を満たした場合は 補助率9/10 【事業場内最低賃金850円未満】 |
申請期間 | 2022年3月31日 |
IT化
IT導入補助金
卸売業・小売業において、業務効率化や生産性の向上のためにITツール導入に活用できる補助金で、在庫管理や従業員勤怠管理だけでなく、手作業で行っていた帳簿管理などをIT化し業務を効率化するために活用することができます。
対象者 | 中小企業・小規模事業者 |
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給付額 | 最大450万円 |
申請期間 | 2021年 1次締切分 2021年5月14日(金) 2次締切分 2021年7月30日(金) 3次締切分 2021年9月30日(木) 4次締切分 2021年11月17日(水) 5次締切分 12月中予定 |