少子高齢化が進む日本において、お年寄りや障害者・児、子どもが自立した快適な生活を送れるよう支援する社会福祉施設はなくてはならない存在です。
そんな社会福祉施設の運営や設備投資、資金繰りに活用できる補助金・助成金が、国や福祉団体より施工されています。
社会福祉施設の事業モデルの転換やサービス拡充、ボランティア活動の支援、認定NPO法人の取得を支援する助成まで、活用しやすい補助金・助成金の中から4つ選んで紹介します。
2023年最新の補助金傾向
福祉施設向けの補助金は前年と比べ、コロナ対策関連は減ったものの、大筋の補助金は維持されています。
物価高騰、人材不足、高齢者増加は深刻であり、引き続き福祉施設向けの補助金は維持される見通しです。
しかし、予算には限りがあり、審査も厳しくなる傾向があります。
常に情報を収集し、早めの対策をされることをおすすめします。
2023年の福祉施設向けの補助金・助成金の主な補助対象
運営補助: 職員の給与、施設の維持管理費、必要な設備や資材の購入など 設備改善補助: 施設の改装や新しい設備の導入、バリアフリー化のための改修や安全対策のための設備の導入 トレーニング・教育補助: 職員のスキル向上や専門知識の獲得のためのトレーニングや教育を支援 プログラム開発補助: 新しいサービスやプログラムの開発を支援 地域連携補助: 地域と連携し、サービスの充実を図るための支援 |
補助金ごとに要件や対象は異なります。
設備投資
社会福祉施設整備補助金
「社会福祉施設整備補助金(=社会福祉施設等施設整備費国庫補助金)」は、お年寄りや子ども、障害者の自立した生活を支援する目的で、福祉施設の整備を行った社会福祉法人等を対象として、その費用の一部を国及び都道府県の予算の範囲内で補助する制度です。
利用する条件に、融資の対象となる施設・土地・地上権を担保にすることが原則必要とされています。
また、保証人不要制度を利用することもできますが、保証人を立てた方が低金利で融資を受けることができます。
対象者 | 対象施設:保護施設、児童福祉施設、障害者施設、その他の施設 |
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給付額 | 国は、社会福祉法人等が施設を整備する場合、原則としてその整備費の1/2を補助し、都道府県(指定都市・中核市を含む)は、施設設置者に対して整備費の1/4を補助しています。 また、民間事業者が設置する社会福祉施設については、独立行政法人福祉医療機構において、社会福祉事業施設等の設置、整備費等に必要な資金の融資を行っています。 社会福祉施設整備補助金において、施設を整備する場合の費用負担は次の通りです。 ■費用負担者/設置主体:社会福祉法人等 |
申請期間 | ・補助事業者は、別紙1の様式による申請書に関係書類を添えて、別に定める日までに地方厚生(支)局長に提出するものとする。 |
資金繰り
SOMPO福祉財団 NPO基盤強化資金助成「組織および事業活動の強化資金助成」
「SOMPO福祉財団 NPO基盤強化資金助成「組織及び事業活動の強化資金助成」は、公益財団法人SOMPO福祉財団が、障害者や子ども、高齢者を対象に活動するNPOを支援し、事業活動や組織の強化に必要な費用を支援する助成金です。
他にも、学術研究や文化活動、社会福祉の学術文献の表彰など福祉や文化の向上を目的とした事業活動や組織の強化に必要な費用の支援を行っています。
事業活動の転換や拡充、サービス向上といった幅広い目的に活用できる助成金です。
対象者 | <1>募集地域西日本地区(滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県・鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県・徳島県・香川県・愛媛県・高知県・福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県・沖縄県) <2>助成対象者特定非営利活動法人・社会福祉法人(インターネット申請が可能な団体) <3>助成対象事業社会福祉に関する活動を行う団体を対象とし、原則として2023年3月末までに完了する事業が対象です。 |
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給付額 | 1団体70万円を上限とします。(総額1,000万円を予定)※選考において、申請金額を減額して助成決定する場合があります。 |
大和証券福祉財団「ボランティア活動助成」
「大和証券福祉財団「ボランティア活動助成」は、大和証券福祉財団が、高齢者や障害者、子どもなどの支援を行う団体、大規模自然災害の被災者への支援活動を行う団体に対して、非営利であることを条件として助成を行う事業です。
福祉や医療に関するボランティアを支援することで、ボランティアを啓発し普及させることを目的とし、ボランティア活動を行いやすい環境の整備を目指しています。
助成対象となる経費は、交通費・旅費・備品・消耗品等・通信費・会場費・製作費・謝金などとされており、福祉に関するボランティア活動を行う際に活用しやすい助成金です。
対象者 | 5名以上で活動し、かつ営利を目的としない団体(任意団体、NPO法人、財団法人、社団法人、大学のボランティアサークル等) ※活動実績は問いませんが、設立して間もない団体による応募は、助成対象期間の活動予定が決まっている団体に限ります。 |
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給付額 | 助成金額:上限30万円(1団体あたり) 総額4,300万円 |
事業承継
SOMPO福祉財団 NPO基盤強化資金助成「認定NPO法人取得資金助成」
「SOMPO福祉財団 NPO基盤強化資金助成「認定NPO法人取得資金助成」は、認定NPO法人の取得を予定している特定非営利活動法人に対して、認定NPO法人の取得に関する費用を、SOMPO福祉財団が支援する助成金です。
障害者、高齢者、子どもの福祉や文化の向上を目的として社会福祉施設を運営する特定非営利活動法人が対象です。
原則2023年3月末までに所轄庁に「認定」の申請を行っていれば、人件費、会合費、機材費などの使途は一切問わず、「認定NPO法人」の取得に係る費用が助成されます。
対象者 | 社会福祉分野で活動し、認定NPO法人の取得を計画している特定非営利活動法人(インターネット申請が可能な団体) ※日本全国で募集します。 |
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給付額 | 1団体30万円とします。(総額450万円を予定) |