人材不足に悩む事業者がいる反面、就職が困難な状況にある求職者も多くいます。それらの問題を解消すべく、厚生労働省が「特定求職者雇用開発助成金」という支援事業を行っています。
この記事では、特定求職者雇用開発助成金の概要、募集要項、募集スケジュール、申請・手続き方法、メリット・デメリットについてわかりやすく解説します。
特定求職者雇用開発助成金とは?わかりやすく解説
対象者 | 高年齢者や障害者などの就職が特に困難な者を、ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により、継続して雇用する労働者等として雇い入れる事業主 |
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利用目的 | 高年齢者や障害者などの就職が特に困難な者を、ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により、継続して雇用する労働者等として雇い入れる事業主に対して助成するものであり、これらの方の雇用機会の増大および雇用の安定を図ることを目的としています |
対象経費 | 助成金のため対象となる経費はなし |
給付額 | 【特定就職困難者コース】欄外に添付
【生涯現役コース】欄外に添付 【被災者雇用開発コース】欄外に添付 【発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース】欄外に添付 【三年以内既卒者等採用定着コース】欄外に添付 【障害者初回雇用コース】120万円 【就職氷河期世代安定雇用実現コース】欄外に添付 【生活保護受給者等雇用開発コース】欄外に添付 |
申請期間 | 各支給対象期の末日の翌日から2ヶ月以内(コースによって異なる可能性あり) |
給付額
【特定就職困難者コース】
対象労働者 | 支給額 | 助成対象期間 | 支給対象期ごとの支給額 | |
短時間労働者以外の者 | [1]高年齢者(60歳以上65歳未満)、母子家庭の母等 | 60万円
(50万円) |
1年
(1年) |
30万円 × 2期
(25万円 × 2期) |
[2]重度障害者等を除く身体・知的障害者 | 120万円
(50万円) |
2年
(1年) |
30万円 × 4期
(25万円 × 2期) |
|
[3]重度障害者等(※3) | 240万円
(100万円) |
3年
(1年6か月) |
40万円 × 6期
(33万円※× 3期) ※第3期の支給額は34万円 |
|
短時間労働者(※4) | [4] 高年齢者(60歳以上65歳未満)、母子家庭の母等 | 40万円
(30万円) |
1年
(1年) |
20万円 × 2期
(15万円 × 2期) |
[5]重度障害者等を含む身体・知的・精神障害者 | 80万円
(30万円) |
2年
(1年) |
20万円 × 4期
(15万円 × 2期) |
【生涯現役コース】
支給対象者 | 支給額 | 助成対象期間 | 支給対象期ごとの支給額 |
短時間労働者以外の者 | 70万円
(60万円) |
1年
(1年) |
35万円 × 2期
(30万円 × 2期) |
短時間労働者(※2) | 50万円
(40万円) |
1年
(1年) |
25万円 × 2期
(20万円 × 2期) |
【被災者雇用開発コース】
支給対象者 | 支給額 | 助成対象期間 | 支給対象期ごとの支給額 |
短時間労働者以外の者 | 60万円
(50万円) |
1年
(1年) |
30万円 × 2期
(25万円 × 2期) |
短時間労働者(※2) | 40万円
(30万円) |
1年
(1年) |
20万円 × 2期
(15万円 × 2期) |
【発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース】
対象労働者 | 企業規模 | 支給額 | 助成対象期間 | 支給対象期ごとの支給額 |
短時間労働者以外の者 | 中小企業 | 120万円 | 2年間 | 第1期 30万円
第2期 30万円 第3期 30万円 第4期 30万円 |
中小企業以外 | 50万円 | 1年間 | 第1期 25万円
第2期 25万円 |
|
短時間労働者(※) | 中小企業 | 80万円 | 2年間 | 第1期 20万円
第2期 20万円 第3期 20万円 第4期 20万円 |
中小企業以外 | 30万円 | 1年間 | 第1期 15万円
第2期 15万円 |
【三年以内既卒者等採用定着コース】
企業区分 | 対象者
(助成金コース名) |
1年
定 着 後 |
2年
定 着 後 |
3年
定 着 後 |
中小企業 | 既卒者等コース | 50万円(※) | 10万円 | 10万円 |
高校中退者コース | 60万円(※) | 10万円 | 10万円 | |
それ以外の企業 | 既卒者等コース | 35万円(※) | - | - |
高校中退者コース | 40万円(※) | - | - |
【就職氷河期世代安定雇用実現コース】
企業規模 | 支給対象期間 | 支給額 | 支給総額 | |
第1期 | 第2期 | |||
大企業 | 1年 | 25万円 | 25万円 | 50万円 |
中小企業 | 1年 | 30万円 | 30万円 | 60万円 |
【生活保護受給者等雇用開発コース】
対象労働者 | 支給額 | 助成対象期間 | 支給対象期ごとの支給額 |
短時間労働者
以外の者 |
60万円
(50万円) |
1年
(1年) |
30万円 × 2期
(25万円 × 2期) |
短時間労働者
(※3) |
40万円
(30万円) |
1年
(1年) |
20万円 × 2期
(15万円 × 2期) |
「特定求職者雇用開発助成金」とは、ハローワークや民間の職業紹介事業者などから紹介を受け、高齢者や障害者、母子家庭の母親などの就職困難者を継続的に雇用する事業者を支援する制度です。
対象者をはじめとする助成の要件や内容、などが異なる計8つのコースが設けられています。
就職困難者の職の安定と、企業の人手不足解消を目的としています。
特定求職者雇用開発助成金の募集要項
対象者
高年齢者や障害者などの就職が特に困難な者を、ハローワークまたは民間の職業紹介事業 者等の紹介により、継続して雇用する労働者等として雇い入れる事業主
利用目的・事業目的
高年齢者や障害者などの就職が特に困難な者を、ハローワークまたは民間の職業紹介事業 者等の紹介により、継続して雇用する労働者等として雇い入れる事業主に対して助成するものであり、これらの方の雇用機会の増大および雇用の安定を図ることを目的としています
申請要件
ハローワークや地方運輸局(船員を雇用する場合)、民間の職業紹介事業者からの紹介を受けて、対象者を雇い入れる必要があります。
コースにより詳細な要件が異なる可能性があるため、各コースの支給要領を確認してください。
対象経費
助成金のため対象となる経費はなし
給付額
【特定就職困難者コース】
対象労働者 | 支給額 | 助成対象期間 | 支給対象期ごとの支給額 | |
短時間労働者以外の者 | [1]高年齢者(60歳以上65歳未満)、母子家庭の母等 | 60万円
(50万円) |
1年
(1年) |
30万円 × 2期
(25万円 × 2期) |
[2]重度障害者等を除く身体・知的障害者 | 120万円
(50万円) |
2年
(1年) |
30万円 × 4期
(25万円 × 2期) |
|
[3]重度障害者等(※3) | 240万円
(100万円) |
3年
(1年6か月) |
40万円 × 6期
(33万円※× 3期) ※第3期の支給額は34万円 |
|
短時間労働者(※4) | [4] 高年齢者(60歳以上65歳未満)、母子家庭の母等 | 40万円
(30万円) |
1年
(1年) |
20万円 × 2期
(15万円 × 2期) |
[5]重度障害者等を含む身体・知的・精神障害者 | 80万円
(30万円) |
2年
(1年) |
20万円 × 4期
(15万円 × 2期) |
【生涯現役コース】
支給対象者 | 支給額 | 助成対象期間 | 支給対象期ごとの支給額 |
短時間労働者以外の者 | 70万円
(60万円) |
1年
(1年) |
35万円 × 2期
(30万円 × 2期) |
短時間労働者(※2) | 50万円
(40万円) |
1年
(1年) |
25万円 × 2期
(20万円 × 2期) |
【被災者雇用開発コース】
支給対象者 | 支給額 | 助成対象期間 | 支給対象期ごとの支給額 |
短時間労働者以外の者 | 60万円
(50万円) |
1年
(1年) |
30万円 × 2期
(25万円 × 2期) |
短時間労働者(※2) | 40万円
(30万円) |
1年
(1年) |
20万円 × 2期
(15万円 × 2期) |
【発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース】
対象労働者 | 企業規模 | 支給額 | 助成対象期間 | 支給対象期ごとの支給額 |
短時間労働者以外の者 | 中小企業 | 120万円 | 2年間 | 第1期 30万円
第2期 30万円 第3期 30万円 第4期 30万円 |
中小企業以外 | 50万円 | 1年間 | 第1期 25万円
第2期 25万円 |
|
短時間労働者(※) | 中小企業 | 80万円 | 2年間 | 第1期 20万円
第2期 20万円 第3期 20万円 第4期 20万円 |
中小企業以外 | 30万円 | 1年間 | 第1期 15万円
第2期 15万円 |
【三年以内既卒者等採用定着コース】
企業区分 | 対象者
(助成金コース名) |
1年
定 着 後 |
2年
定 着 後 |
3年
定 着 後 |
中小企業 | 既卒者等コース | 50万円(※) | 10万円 | 10万円 |
高校中退者コース | 60万円(※) | 10万円 | 10万円 | |
それ以外の企業 | 既卒者等コース | 35万円(※) | - | - |
高校中退者コース | 40万円(※) | - | - |
【障害者初回雇用コース】
120万円
【就職氷河期世代安定雇用実現コース】
企業規模 | 支給対象期間 | 支給額 | 支給総額 | |
第1期 | 第2期 | |||
大企業 | 1年 | 25万円 | 25万円 | 50万円 |
中小企業 | 1年 | 30万円 | 30万円 | 60万円 |
【生活保護受給者等雇用開発コース】
対象労働者 | 支給額 | 助成対象期間 | 支給対象期ごとの支給額 |
短時間労働者
以外の者 |
60万円
(50万円) |
1年
(1年) |
30万円 × 2期
(25万円 × 2期) |
短時間労働者
(※3) |
40万円
(30万円) |
1年
(1年) |
20万円 × 2期
(15万円 × 2期) |
申請期間
各支給対象期の末日の翌日から2ヶ月以内(コースによって異なる可能性あり)
特定求職者雇用開発助成金の募集スケジュール
特定就職困難者コースを例とします。助成金の支給対象期は起算日から6ヶ月ごとに区切られた期間で、2〜6回に分けて助成金が支給されます。
起算日は賃金の締切日が定められていない場合は雇い入れた日、定められている場合は雇い入れた日の直後の賃金締切日の翌日です。
特定求職者雇用開発助成金の申請・手続き方法
ハローワークや民間の職業紹介事業者などから紹介を受け、対象者を雇い入れた後、助成金の支給申請を行います。
支給申請の内容に問題がないか審査され、適正であると判断された場合に助成金が支給されます。
各支給対象期の末日の翌日から2ヶ月以内が支給申請期間となります。
必要書類
いずれのコースにも共通する必要書類は、支給要件確認申立書と、支払方法・受取人住所届、勤怠状況等確認書です。
特定求職困難者コース及び発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コースに関しては、この他にも必要書類の指示があります。
特定求職者雇用開発助成金のQ&A
特定求職者雇用開発助成金にメリット・デメリットはありますか?
就職困難者の職を安定させ、企業の人手不足を解消でき、かつ返済不要の資金を調達できる点がメリットです。
ただし、助成金は原則後払いであるため、新たに雇い入れた労働者の賃金は一時的に立て替える必要があり、手続きに多少の手間がかかる点がデメリットです。
特定求職者雇用開発助成金と併給可能な助成金はありますか?
特定求職者雇用開発助成金の特定就職困難者コース及び発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コースは、トライアル雇用助成金の障害者トライアルコースは併給可能です。