新型コロナウイルス感染症の影響で、ビジネスモデルの転換を余儀なくされたり、休業により事業収入が減少した個人事業主の方も多いのではないでしょうか。
2021年に実施された、コロナ禍において個人事業主が活用できる補助金・助成金、個人事業主にも支給される傷病手当、減免などの財政支援などの救済措置の情報など、10種の制度を紹介します。
事業の資金繰りや生活資金の確保にお悩みの個人事業主の方は特に参考にしてください。
設備投資
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(低感染リスク型ビジネス枠)
「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」は、中小企業や小規模事業者を対象として、新たなサービスや製品の開発、生産性向上を目的とした設備投資などの費用を支援する制度です。
低感染リスク型ビジネス枠(=新特別枠)は、新型コロナウイルス感染拡大の影響によりビジネスモデルの転換を余儀なくされた事業者を補助するため新設されました。
対人接触機会を減少するための設備投資など、個人事業主でも活用しやすい補助金です。
9次締切の公募にて、低感染リスク型ビジネス枠は終了します。
対象者 | 日本国内に本社及び補助事業の実施場所を有する中小企業者及び特定非営利活動法人 |
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給付額 | 100万円~1,000万円 |
申請期間 | 1次 令和2年~3/31 2次 令和2年4/1~5/20 3次 令和2年5/21~8/3 4次 令和2年8/4~12/18 5次 令和2年12/19~令和3年2/22 6次 令和3年2/23~5/13 7次 令和3年5/14~8/17 8次 令和3年9/1~11/11 9次 令和4年12/1~2/8 |
IT化
IT導入補助金
「IT導入補助金(=サービス等生産性向上IT導入支援事業費補助金)」は、個人事業主や中小企業を対象に、生産性向上を目的としたITツールの導入を支援する制度です。
申請すれば必ず支給されるのではなく、審査を受けて採択された場合のみ支給される補助金です。補助を受ける事業主がIT導入支援事業者と協力し、共同事業体として交付申請を行わなければならない、などの条件があります。
非対面ツールの導入やテレワーク対応が対象となる、低感染リスク型ビジネス枠も設けられています。
対象者 | 中小企業・小規模事業者 |
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給付額 | 最大450万円 |
申請期間 | 2021年 1次締切分 2021年5月14日(金) 2次締切分 2021年7月30日(金) 3次締切分 2021年9月30日(木) 4次締切分 2021年11月17日(水) 5次締切分 2021年12月22日(水) |
資金繰り
月次支援金
「月次支援金」は、緊急事態宣言やまん延防止防止重点措置といった対象措置により、売り上げが減少し事業の継続が困難な中小企業や個人事業主を支援する制度です。
個人事業者であれば、2019年または2020年の同月比で売り上げが50%以上減少した2021年の月の売り上げを、2019年または2020年の基準月の売り上げから差し引いた金額が支援金として支給され、上限は10万円とされています。
対象者 | 対象月の緊急事態措置又はまん延防止等重点措置(以下「対象措置」という。)に伴う飲食店の休業・時短営業又は外出自粛等の影響を受けており、2021年の月間売上が、2019年又は2020年の同月比で50%以上減少した事業者 |
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給付額 | 給付額 =2019年又は2020年の基準月の売上ー2021年の対象月の売上 中小法人等 上限20万円/月 個人事業者等 上限10万円/月 |
申請期間 | 4月・5月分:2021年 6月16日~8月15日 6月分:2021年 7月1日~8月31日 7月分:2021年 8月1日~9月30日 8月分:2021年 9月1日~10月31日 9月分:2021年 10月1日~11月30日 10月分:2021年11月1日~2022年1月7日 ※原則、対象月の翌月から2ヶ月間を申請期間となります |
事業再構築補助金
「事業再構築補助金」は、新型コロナウイルス感染症の対策としてビジネスモデルの転換や事業の再編を試みる、中小企業や個人事業主、フリーランスを支援する制度です。
コロナの影響を受ける以前の2019年から2020年3月までの合計売上高と、2020年10月以降の連続する6ヶ月間の内の3ヶ月間の合計売上高を比較して10%以上減少していること、コロナ禍に適応するビジネスモデルへの転換、事業計画の策定が支給対象となる条件です。
対象者 | 日本国内に本社がある法人で、中小企業者等及び中堅企業に限ります |
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給付額 | 1.中小企業(通常枠) ・補助率2/3 ・補助額 【従業員数20人以下】100万円~4,000万円 【従業員数21~50人】100万円~6,000万円 【従業員数51人以上】100万円~8,000万円2.中小企業(卒業枠)(400社に限る) ・補助率2/3 ・補助額~1億円3.中堅企業(通常枠) ・補助率1/2 ・補助額100万円~8000万円4.中堅企業(グローバルV字回復枠)(100社に限る) 以下の要件を満たす中堅企業向け特別枠。 ①直前6カ月間の中から、売上高の低い3カ月の合計売上高がコロナ以前の3カ月の合計売上高と比較し、15%以上売上減少している中堅企業。 ②事業終了後3~5年が経ち、付加価値額又は一人当たりの従業員の付加価値額の年率が5.0%以上増加を達成すること。 ③グローバル展開を果たす対象事業であること。 |
申請期間 | 第1回公募締切 2021年5月7日18:00 第2回公募締切 2021年7月2日18:00 第3回公募締切 2021年9月21日18:00 第4回公募締切 2021年12月21日18:00 第5回公募締切 2022年3月頃 |
新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金
「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」は、定められた期間中に、新型コロナウイルス感染症の影響により事業主が休業させた労働者の賃金を支援する制度です。
個人事業主が雇用する労働者も対象となり、労働者本人が申請、あるいは事業主が一括して申請することも可能です。
雇用保険に加入していないアルバイトなどの労働者も労働契約を結んでいれば対象となり、売り上げの減少により休業中の賃金の支払いが困難な個人事業主にとって、活用しやすい給付金です。
対象者 | 新型コロナウイルス感染症及びそのまん延のための措置の影響により、
(1)令和2年10月1日から令和3年12月31日までに事業主が休業させた中小企業の労働者で、その休業に対する賃金(休業手当)を受け取っていない者 (2)令和2年4月1日から令和2年6月30日まで及び令和3年1月8日(令和2年11月7日以降に時短要請を発令した都道府県はそれぞれの要請始期以降)から令和3年12月31日までに事業主が休業させた大企業のシフト労働者等のうち、休業期間中の賃金(休業手当)の支払いを受けることができなかった労働者 |
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給付額 | 休業前の1日当たり平均賃金 × 80%(※1) × (各月の休業期間の日数 – 就労した又は労働者の事情で休んだ日数)
※1 1日当たり支給額(9,900円(※2)(令和3年4月までは11,000円)が上限) ※2 緊急事態措置又はまん延防止等重点措置を実施すべき区域の知事の要請を受けて営業時間の短縮等に協力する新型インフルエンザ等対策特別措置法施行令第11条に定める施設(飲食店等)の労働者については、令和3年5月1日〜令和3年12月31日の期間において11,000円。 |
申請期間 | (1)中小企業にお勤めの方 休業した期間→締切日(郵送の場合は必着) ・令和2年10月〜令和3年9月→令和3年12月31日(金) ・令和3年10月〜11月→令和4年2月28日(月) ・令和3年12月→令和4年3月31日(木)(2)大企業にお勤めの方 休業した期間→締切日(郵送の場合は必着) ・令和2年4月〜6月、令和3年1月8日(金)〜9月→令和3年12月31日(金) ・令和3年10月〜11月→令和4年2月28日(月) ・令和3年12月→令和4年3月31日(木) |
緊急小口資金
「緊急小口資金」は、新型コロナウイルス感染症の影響により休業を余儀なくされるなどして収入が減少し、生活資金を一時的に補塡する必要のある世帯に対して貸付を行う制度です。
売上の減少で急ぎ小口が必要になってしまった個人事業主でも、無利子、保証人不要で活用できるため、セーフティネットとして記憶しておくとよいでしょう。
休業をしていなくても、新型コロナウイルス感染症の影響での収入が減少していれば活用することができます。償還期限は原則2年以内です。
対象者 | 新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、休業等による収入の減少があり、緊急かつ一時的な生計維持のための貸付を必要とする世帯 |
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給付額 | 貸付上限額20万円以内 |
申請期間 | 令和4年3月末日 |
総合支援資金
「総合支援資金」は、主に失業した人を対象として、生活を再建するまでの間に必要となる生活資金の貸付を行う制度です。
対象者の条件に、新型コロナウイルスの影響により失業した者が生活に困窮した場合が対象とありますが、失業していなくても収入が減少していれば活用することができます。無利息、保証人不要で、貸付上限額は世帯人数によって異なります。
就業形態や職種は問わず貸付を受けることができるので、個人事業主も貸付対象です。
対象者 | 新型コロナウイルスの影響を受けて、収入の減少や失業等により生活に困窮し、日常生活の維持が困難となっている世帯 |
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給付額 | 貸付上限額 ・(二人以上世帯) 月20万円以内 ・(単身世帯) 月15万円以内 貸付期間:原則3月以内 |
申請期間 | 令和4年3月末日 |
人材育成・雇用
雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)
「雇用調整助成金」は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて休業や事業の縮小を余儀なくされた場合に、労働者の雇用維持を目的に休業などの雇用調整を行う事業主に対して、休業手当の支払いなどにかかった費用の一部を助成する制度です。
休業だけではなく、労働者を出向させて雇用を継続した場合も対象となります。
業種によって例外などはなく、全企業が対象のため、個人事業主も活用することができます。
対象者 | 新型コロナウイルス感染症に伴う特例措置では、以下の条件を満たす全ての業種の事業主を対象としています。
1.新型コロナウイルス感染症の影響により経営環境が悪化し、事業活動が縮小している 2.最近1ヶ月間の売上高又は生産量などが前年同月比5%以上減少している(※) 3.労使間の協定に基づき休業などを実施し、休業手当を支払っている |
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給付額 | 全企業共通(※令和4年1月以降は、施行にあたって厚生労働省令の改正等が必要であり、現時点での予定です。)
判定基礎期間の初日→一人一日あたりの上限額 |
申請期間 | 令和3年5月〜 |
その他
傷病手当
令和2年1月、「新型コロナウイルス感染症に感染した被保険者等に係る傷病手当金(給与受給者)及び傷病給付金(個人事業主)」が創設され、新型コロナウイルス感染症に感染または感染の疑いがあり、事業を行うことができない場合に限り、個人事業主であっても傷病手当を受給することができるようになりました。
国民健康保険又は後期高齢者医療の被保険者であることが条件です。
病気が元で就業不能となった場合、会社員など社会保険制度に加入している者には傷病手当金が支給されますが、個人事業主が加入する国民健康保険に傷病手当は存在しませんでした。
個人事業主は必ず覚えておきたい手当金です。
対象者 | 国民健康保険及び後期高齢者医療の被保険者で
1.給与受給者 2.個人事業主 |
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給付額 | 1.給与受給者 ・直近の継続した3か月の給与収入の合計額を就労日数で除し、その金額の3分の2を療養日数に応じて支給(日額上限あり)2.個人事業主 ・5,000円×日数 |
申請期間 | 適用期間 傷病手当金及び傷病給付金の支給を始める日が令和2年1月1日から令和3年12月31日の間に属する場合 |
国民健康保険料(税)の減免に対する財政支援
新型コロナウイルス感染症の影響で収入が減少するなどして、国民健康保険料(税)の納付が困難な場合、特例で減免される財政支援制度が2021年4月以降も継続されています。
2021年4月から2022年3月31日までに納期限がある21年度分の国民健康保険料(税)が対象です。
個人事業主は国民健康保険に加入している必要があるため、事業収入が減少し生活の維持が難しくなった場合、活用しやすい制度でしょう。
対象者 | 減免対象となる世帯
新型コロナウイルス感染症で主たる生計維持者が死亡または重篤な傷病を負った世帯 ▽新型コロナウイルス感染症の影響で主な生計維持者の事業収入、不動産収入、山林収入または給与収入の減少が見込まれ、①事業収入が30%以上減少②合計所得金額1千万円以下③所得以外の前年所得合計額が400万円以下の要件に全て該当する世帯 |
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給付額 | 新型コロナウイルスに関わる国保料・税の減免制度
主な生計維持者の前年所得金額→減免割合 |
申請期間 | 2021年4月から2022年3月31日までに納期限がある、21年度分の国保料・税 (申請期間不明) |