個人事業主向け美容師が活用できる補助金・助成金9選【2021年】

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個人事業主の美容師が活用できる補助金・助成金が政府より交付されています。

理美容業は、新型コロナウイルス感染症の影響により営業自粛要請の対象外とされていましたが、外出自粛により顧客の来店回数が減少するなどして、経営に打撃を受けたお店も少なくありません。

資金繰りに悩む個人事業主の美容師が、ウィズコロナ、ポストコロナ時代の経済環境に対応していくために、補助金・助成金は大きな助けとなります。

今回は、個人事業主の美容師向けに、販路開拓、設備投資、IT化、資金繰り、人材育成・雇用、事業承継など、活用しやすい補助金・助成金を9つ選んで紹介します。

販路開拓

小規模事業者持続化補助金

「小規模事業者持続化補助金」は、常時使用する従業員の人数が少ない小規模な事業者の、販路開拓や生産性向上のための取り組み、または、新型コロナウイルス感染症対策の取り組みに対して、係る費用の一部を補助する制度です。

美容師の職業区分は「サービス業」に該当し、補助対象は「常時使用する従業員の数が5人以下」となります。

個人事業主は自分一人、または少人数で事業を行うことが多いため、本補助金の対象となる可能性が高く、活用しやすい補助金です。

対象者 宿泊業・娯楽業除く商業・サービス業
(常時使用する従業員の数 5人以下)宿泊業・娯楽業
(常時使用する従業員の数 20人以下)製造業その他
(常時使用する従業員の数 20人以下)

※常時使用する従業員には、会社役員や個人事業主本人、一定条件を満たすパートタイム労働者は含みません。

給付額 補助率3/4
補助上限額100万円
申請期間 第1回受付締切日 2020年 3月31日(火)(郵送:締切日当日消印有効)
第2回受付締切日 2020年 6月5日(金)(郵送:締切日当日消印有効)
第3回受付締切日 2020年 10月2日(金)(郵送:締切日当日消印有効)
第4回受付締切日 2021年 2月5日(金)(郵送:締切日当日消印有効)
第5回受付締切日 2021年 6月4日(金)(郵送:締切日当日消印有効)
第6回受付締切日 2021年10月1日(金)(郵送:締切日当日消印有効)
第7回受付締切日 2022年 2月 4日(金)(郵送:締切日当日消印有効)

設備投資

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

中小企業や小規模事業主などが、新製品や新サービスの開発、生産性向上を目的とした設備投資を行った際の経費の一部を支援する制度に、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」があります。

要件を満たせば個人事業主も補助対象となります。美容師であれば、オリジナルシャンプーをはじめとするヘアケアグッズの開発や、新サービスや機器の導入などに活用することができます。

対象者 日本国内に本社及び補助事業の実施場所を有する中小企業者及び特定非営利活動法人
給付額 100万円~1,000万円
申請期間 1次 令和2年~3/31
2次 令和2年4/1~5/20
3次 令和2年5/21~8/3
4次 令和2年8/4~12/18
5次 令和2年12/19~令和3年2/22
6次 令和3年2/23~5/13
7次 令和3年5/14~8/17
8次 令和3年9/1~11/11
9次 令和3年12/1~令和4年2/8

IT化

IT導入補助金

「IT導入補助金」は、中小企業や小規模事業者がIT導入支援事業者と協力し、生産性を向上させる目的でITツールを導入した際に要した費用の一部を補助する制度です。

個人事業主も対象となり、美容師であれば顧客管理や予約管理、経理作業などを自動化するシステムや、ホームページの開設などに活用することができます。

新型コロナウイルス感染症対策として、対人接触機会を減ずるため、ITツールを導入した場合に対象となる、低感染リスク型ビジネス枠も設けられています。

対象者 中小企業・小規模事業者
給付額 最大450万円
申請期間 2021年
1次締切分 2021年5月14日(金)
2次締切分 2021年7月30日(金)
3次締切分 2021年9月30日(木)
4次締切分 2021年11月17日(水)
5次締切分 2021年12月22日(水)

資金繰り

新型コロナウイルス感染症特別貸付

「新型コロナウイルス感染症特別貸付」は、新型コロナウイルス感染症の影響により、売り上げが減少するなど経営状況が悪化している中小企業者や個人事業主に対して、中長期的に見て業況の回復や発展が見込まれる場合に、設備資金や長期運転資金を貸付する制度です。

理美容業は緊急事態宣言下でも営業自粛要請の対象外でしたが、外出制限により来店数が減少し苦境に立たされた個人事業主の美容師も多いです。

新型コロナウイルス感染症特別貸付は無担保で利用できるため、事業の立て直しに活用できる制度として記憶しておくとよいでしょう。

対象者 新型コロナウイルス感染症の影響を受け、次のいずれにも当てはまる方

1.最近1ヶ月間の売上高または過去6ヶ月(最近1ヶ月を含む。)の平均売上高が前3年のいずれかの年の同期に比し5%以上減少していることまたはこれと同様の状況にあること

2.中長期的にみて、業況が回復し、かつ、発展することが見込まれること

給付額 融資限度額 直接貸付6億円(別枠)
申請期間 申請期間の記載なし

人材育成・雇用

キャリアアップ助成金

「キャリアアップ助成金」は、アルバイトやパートタイマー、派遣社員など、非正規雇用労働者の正社員転換を行ったり、賃金や諸手当などの処遇改善を実施したりした事業主を助成する制度です。

労働者の就労意欲を高めて事業の生産性を向上させ、人材を職場に定着させることを目的としています。

正社員化、諸手当制度共通化など合計7つのコースが設けられており、実施しやすいコースを選択することができます。

対象者 雇用保険適用事業所の事業主
給付額 有期契約労働者等を正規雇用労働者等に転換または直接雇用した場合

中小企業
①有期→正規 57万円(1人当たり) 生産性の向上が認められる場合72万円(1人当たり)

②有期→無期 28万5,000円(1人当たり) 生産性の向上が認められる場合36万円(1人当たり)

③無期→正規 28万5,000円(1人当たり) 生産性の向上が認められる場合36万円(1人当たり)

中小企業以外
①有期→正規 42万7,500円(1人当たり) 生産性の向上が認められる場合54万円(1人当たり)

②有期→無期 21万3,750円(1人当たり) 生産性の向上が認められる場合27万円(1人当たり)

③無期→正規 21万3,750円(1人当たり) 生産性の向上が認められる場合27万円(1人当たり)

申請期間 実際に賃金が支給された日の翌日から起算して2か月以内

トライアル雇用助成金

「トライアル雇用助成金」は、職業経験が不足している、離職期間が1年以上に及んでいるなどの理由で就職が困難な求職者を、原則3ヶ月の使用期間を設けて雇用した事業主を支援する制度です。

雇用のハードルが下がることにより雇用機会が増加し、人手不足の解消が期待できます。

人材育成に時間を割きにくい個人事業主の美容師は、子育てや介護などを理由に長期間現場を離れている美容師をトライアル雇用することにより、即戦力となる人材を確保することができるなど、メリットの大きい助成金です。

対象者
  1. 対象労働者がハローワーク、地方運輸局(船員となる場合)または職業紹介事業者(以下「ハローワーク・紹介事業者等」という。)の職業紹介の日(以下「紹介日」という。)において、次のイ〜ニのいずれにも該当しない者であること。
    1. 安定した職業に就いている者
    2. 自ら事業を営んでいる者又は役員に就いている者であって、1週間当たりの実動時間が30時間以上の者
    3. 学校に在籍している者(在籍している学校を卒業する日の属する年度の1月1日を経過している者であって卒業後の就職内定がないものは除く。)
    4. トライアル雇用期間中の者
  2. 次のイ〜ヘのいずれかに該当する者
    1. 紹介日前2日以内に、2回以上離職又は転職を繰り返している者
    2. 紹介日前において離職している期間が1年を超えている者
    3. 妊娠、出産又は育児を理由として離職した者であって、紹介日前において安定した職業に就いていない期間(離職前の期間は含めない。)が1年を超えているもの
    4. 紹介日において、ニートやフリーター等で55歳未満である者
    5. 紹介日において就職支援に当たって特別の配慮を有する次のa〜iまでのいずれかに該当する者
      1. 生活保護受給者
      2. 母子家庭の母等
      3. 父子家庭の父
      4. 日雇労働者
      5. 季節労働者
      6. 中国残留法人等永住帰国者
      7. ホームレス
      8. 住居喪失不安定就労者
      9. 生活困窮者
  3. ハローワーク・紹介事業者等に提出された求人に対して、ハローワーク・紹介事業者等の紹介により雇い入れること
  4. 原則3ヵ月のトライアル雇用をすること
  5. 1週間の所定労働時間が原則として通常の労働者と同程度(30時間(上記(2)d、gまたはhに該当する者の場合は20時間)を下回らないこと)であること
給付額
  1. 本助成金の支給額は、支給対象者1人につき月額4万円です。※対象者が母子家庭の母等又は父子家庭の父の場合、1人につき月額5万円となります。
  2. ただし、次のイまたはロの場合、その月分の月額は、それぞれに示す期間中に実際に就労した日数に基づいて次のハによって計算した額となります。
    1. 次のa〜bのいずれかの場合であって、トライアル雇用に係る雇用期間が1か月に満たない月がある場合
      1. 支給対象者が支給対象期間の途中で離職(次の(a)〜(b)のいずれかの理由による離職に限る)した場合
        離職日の属する月の初日から当該離職日までのトライアル雇用期間中に実際に就労した日数

        1. (a) 本人の責めに帰すべき理由による解雇
        2. (b) 本人の都合による退職
        3. (c) 本人の死亡
        4. (d) 天災その他のやむを得ない理由により、事業の継続が不可能になったことによる解雇
      2. トライアル雇用の支給対象期間の途中で常用雇用へ移行した場合
        常用移行への移行日の前日の属する月の初日から当該移行日の前日までのトライアル雇用期間中に実際に就労した日数
    2. 支給対象者本人の都合による休暇またはトライアル雇用事業主の都合による休業があった場合
      その1か月間に実際に就労した日数(ただし年次有給休暇等法令により事業主が労働者に対し付与を義務付けられている休暇は就労した日数とみなす)
    3. 支給対象期間中のある月において、支給対象者が就労を予定していた日数に対する実際に就労した日数の割合(A)が次表の左欄の場合、当該月の月額は右欄になります。

 

A = (支給対象者が1か月間に実際に就労した日数)

(支給対象者が当該1か月間に就労を予定していた日数)

 

(母子家庭の母等又は父子家庭の父以外の場合)
割合 月額
A ≥ 75% 4万円
75% > A ≥ 50% 3万円
50% > A ≥ 25% 2万円
25% > A > 0% 1万円
A = 0% 0円
(母子家庭の母等又は父子家庭の父の場合)
割合 月額
A ≥ 75% 5万円
75% > A ≥ 50% 3.75万円
50% > A ≥ 25% 2.5万円
25% > A > 0% 1.25万円
A = 0% 0円
申請期間 ※トライアル雇用開始日から2週間以内に、対象者を紹介したハローワークに実施計画書を提出

※助成金を受給するためには、トライアル雇用終了日の翌日から起算して2ヵ月以内に、事業所を管轄するハローワークまたは労働局に支給申請書を提出する必要があります。

雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例措置)

「雇用調整助成金」の新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例措置は、新型コロナウイする感染症が原因で休業や事業縮小を余儀なくされた事業者に対して、労働者の休業手当などの費用の一部を助成し、労働者の雇用維持を図る制度です。

非正規雇用労働者も対象となり、1日1人あたり15,000円を上限として助成金が支給されるため、アルバイトやパートタイマーを雇用することの多い個人事業主の美容師にとって、大きな助けとなる助成金です。

対象者 新型コロナウイルス感染症に伴う特例措置では、以下の条件を満たす全ての業種の事業主を対象としています。

1.新型コロナウイルス感染症の影響により経営環境が悪化し、事業活動が縮小している

2.最近1ヶ月間の売上高又は生産量などが前年同月比5%以上減少している(※)

※比較対象とする月についても、柔軟な取り扱いとする特例措置があります。

3.労使間の協定に基づき休業などを実施し、休業手当を支払っている

給付額 全企業共通(※令和4年1月以降は、施行にあたって厚生労働省令の改正等が必要であり、現時点での予定です。)

判定基礎期間の初日→一人一日あたりの上限額
・令和3年12月まで→13,500円〜15,000円
・令和4年1月・2月(予定)→11,000円〜15,000円
・令和4年3月(予定)→9,000円〜15,000円

申請期間 令和3年5月〜

人材開発支援助成金

「人材開発支援助成金」は、正規雇用の労働者に研修や職業訓練を受講させるなど、人材育成に取り組む事業主に対して、研修費用やその間の賃金などの一部を支援する制度です。

少人数で運営する美容室は社員教育に割ける人員と時間が少ないという問題がありますが、外部機関の職業訓練を利用することで、効率的に従業員の専門知識やスキルアップを行うことができます。

従業員を育成することで、サービスの質が高まり顧客満足度も向上するため、積極的に活用したい助成金です。

対象者 助成金は、次のイからニまでのいずれにも該当する事業主等に対して支給する。

 イ 雇用保険適用事業所の事業主(雇用保険被保険者が存在する事業所の事業主であること)

 ロ 助成金の支給又は不支給の決定に係る審査に必要な書類等を整備、保管している事業主等 

ハ 助成金の支給又は不支給の決定に係る審査に必要であると管轄労働局の長(以下「管轄労働 局長」という。65歳超雇用推進助成金については「機構の理事長」(以下「機構理事長」と いう。)と読み替えるものとする。以下同じ。)が認める書類等を管轄労働局長の求めに応じ 提出又は提示する、管轄労働局の実地調査に協力する等、審査に協力する事業主等

 ニ 「第2 各助成金別要領」に定めがある場合は、各助成金ごとに定める要件を満たす事業主 等

給付額 ■特定訓練コース

OFF-JT 賃金助成 1人1時間当たり 760円<960円>(380円<480円>)

OJT 実施助成 1人1時間当たり665円<840円>(380円<480円>)

経費助成 対象経費の45%<60%>(30%<45%>)

■一般訓練コース

OFF-JT 賃金助成 1人1時間当たり 380円<480円>

経費助成 対象経費の30%<45%>

◆〈 〉は生産性の向上が認められる場合の額、( )内は大企業の額です。

 ◆特定分野認定実習併用職業訓練を実施する場合などは、経費助成率が変わります。

 ◆賃金助成、実施助成は所定労働時間内の訓練に限ります。

 ◆事業主団体等が申請する場合は、経費助成のみとなります。 訓練時間 ①特定訓練コース ②一般訓練コース 10(20※)時間以上100時間未満 15万円(10万円) 7万円 100時間以上200時間未満 30万円(20万円) 15万円 200時間以上 50万円(30万円) 20万円 特定訓練コース 

◆経費助成は、訓練時間に応じて次の額を上限としています。 賃金助成 1人1時間当たり 760円〈960円〉 (380円〈480円〉) ※上限は1,200時間 (一部1,600時間) 賃金助成 1人1時間当たり 380円〈480円〉 ※大企業も同じ ※上限は1,200時間 (一部1,600時間) 実施助成 1人1時間当たり 665円〈840円〉 (380円〈480円〉) ※上限は680時間 

◆ ( )内は大企業の額です。

 ◆1労働者が対象訓練を受講できる回数は、年間職業能力開発計画期間内に3回までです。

 ◆1事業所が1年度に受給できる限度額は、特定訓練コースを含む場合は1,000万円、一般訓練 コースのみの場合は500万円です。

 ◆助成率・額の詳細や生産性要件については、詳細版パンフレットをご確認ください。

_______________________

■教育訓練休暇付与コース

・教育訓練休暇制度の場合

制度導入・実施助成 30万円(生産性要件を満たす場合36万円)

・長期教育訓練休暇制度の場合

賃金助成 6,000円(生産性要件を満たす場合7,200円)

経費助成 20万円(生産性要件を満たす場合24万円)

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■特別育成訓練コース

・一般職業訓練 OFF-JT

賃金助成:1人1時間当たり 760円<960円>(475円<600円>)

経費助成:1人当たり 実費

・有期実習型訓練

OFF-JT

賃金助成:1人1時間当たり760円<960円>(475円<600円>)

経費助成:1人当たり 実費

OJT

実施助成:1人1時間当たり

760円<960円>(665円<840円>)

・中小企業等担い手育成訓練

OFF-JT

賃金助成:1人1時間当たり760円<960円>(475円<600円>)

OJT

実施助成:1人1時間当たり

760円<960円>(665円<840円>)

申請期間 各助成金別要領において各助成金ごとに定める日の翌日から起算して2か月以内

事業承継

事業再構築補助金

「事業再構築補助金」は、ポストコロナ、ウィズコロナ時代を見据えて、事業モデルの再構築や新分野の開拓など、思い切った事業再編計画に取り組む事業主を支援する制度です。

個人事業主の美容師も、要件を満たせば活用することができます。

美容室であれば、オリジナルヘアケア製品を開発してホームページに予約システムとECショップを併設させる、エステなど新サービスを導入するなど、幅広い用途に活用できる助成金です。

対象者 日本国内に本社がある法人で、中小企業者等及び中堅企業に限ります
給付額 1.中小企業(通常枠)
・補助率2/3
・補助額
【従業員数20人以下】100万円~4,000万円
【従業員数21~50人】100万円~6,000万円
【従業員数51人以上】100万円~8,000万円

2.中小企業(卒業枠)(400社に限る)
・補助率2/3
・補助額~1億円

3.中堅企業(通常枠)
・補助率1/2
・補助額100万円~8000万円

4.中堅企業(グローバルV字回復枠)(100社に限る)
以下の要件を満たす中堅企業向け特別枠。
 ①直前6カ月間の中から、売上高の低い3カ月の合計売上高がコロナ以前の3カ月の合計売上高と比較し、15%以上売上減少している中堅企業。

 ②事業終了後3~5年が経ち、付加価値額又は一人当たりの従業員の付加価値額の年率が5.0%以上増加を達成すること。

 ③グローバル展開を果たす対象事業であること。

申請期間 第1回公募締切 2021年5月7日18:00
第2回公募締切 2021年7月2日18:00
第3回公募締切 2021年9月21日18:00
第4回公募締切 2021年12月21日18:00
第5回公募締切 2022年3月頃