労働者の健康確保を推進するべく、常時50名以上の労働者を雇用する事業場において、ストレスチェック実施義務が生じています。
そんな中、ストレスチェック集団分析を実施する際に発生する専門家の指導料を助成する「職場環境改善計画助成金」が、厚生労働省の産業保健活動総合支援事業の一環として行われています。
この記事では、職場環境改善計画助成金の概要、メリット・デメリット、募集要項、募集スケジュール、申請・手続き方法について解説します。
職場環境改善計画助成金とは?わかりやすく解説
「職場環境改善計画助成金」は、ストレスチェック集団分析を実施した結果に基づき、職場環境改善計画を策定し、労働環境の改善に取り組んだ企業に対して、専門家の指導費用を助成する制度です。
労働者のメンタルヘルスに不調が生じる前に対策を講じることで、離職率の低下を防ぎ、雇用の安定を図ることを目的としています。
対象者 | (1)事業場コース専門家(※)の指導に基づき、職場環境改善計画を作成し、計画に基づき職場環境の改善を実施した事業場
※産業医等の医師、保健師、看護師、精神保健福祉士、産業カウンセラー、臨床心理士等の心理職、労働衛生コンサルタント、社会保険労務士 (2)建設現場コース 専門家(※)の助言・支援を受け、職場環境改善計画を作成し、計画に基づき職場環境の改善を実施した建設現場 ※産業医等の医師、保健師、看護師、精神保健福祉士、産業カウンセラー、臨床心理士等の心理職、労働衛生コンサルタント、社会保険労務士・労働安全コンサルタント(建設業で安全管理業務3年以上従事者)、または統括安全衛生責任者(3年以上経験者)で一定の研修(本コースの手引を参照)を終了した者 |
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利用目的 | ストレスチェックを活用して働きやすい職場づくりを進めるべく、ストレスチェックの集団分析の結果を活用し、職場環境の改善を行った事業場に対して、費用を助成する。 | |||||||||
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対象経費 | 専門家の指導費用 | |||||||||
給付額 |
※各コースは1事業場または1建設現場あたり、将来にわたり1回限りの助成となります。 |
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申請期間 | 取り組み実施期間:令和3年4月1日~令和4年3月31日申請期間:令和3年5月18日~令和4年6月30日(当日消印有効) |
メリット
職場環境改善計画助成金の受給要件は、ストレスチェック集団分析を行った後、専門家の指導を受け、職場環境改善計画を作成して実施、確認を受けるだけと、難度が比較的低いです。
給付金は返済の必要がなく、費用を抑えながら、労働者の健康確保を行える点がメリットです。
デメリット
受給申請をする際に必要書類を容易する手間や、ストレスチェック集団分析実施後に職場環境改善計画を作成して実施する労力がかかります。
また、助成金の給付は後払いであるため、申請に不備があった場合に受給できなくなる可能性がある点や、費用を一時的に立て替えなければならない点はデメリットでしょう。
職場環境改善計画助成金の募集要項
対象者
(1)事業場コース
専門家(※)の指導に基づき、職場環境改善計画を作成し、計画に基づき職場環境の改善を実施した事業場
※産業医等の医師、保健師、看護師、精神保健福祉士、産業カウンセラー、臨床心理士等の心理職、労働衛生コンサルタント、社会保険労務士
(2)建設現場コース
専門家(※)の助言・支援を受け、職場環境改善計画を作成し、計画に基づき職場環境の改善を実施した建設現場
※産業医等の医師、保健師、看護師、精神保健福祉士、産業カウンセラー、臨床心理士等の心理職、労働衛生コンサルタント、社会保険労務士・労働安全コンサルタント(建設業で安全管理業務3年以上従事者)、または統括安全衛生責任者(3年以上経験者)で一定の研修(本コースの手引を参照)を終了した者
利用目的・事業目的
ストレスチェックを活用して働きやすい職場づくりを進めるべく、ストレスチェックの集団分析の結果を活用し、職場環境の改善を行った事業場に対して、費用を助成する。
申請要件
事業場コースの場合は、労働者を雇用している法人、または個人事業主であり、かつ労働保険の適用事業所であること。建設現場コースの場合、労災保険の適用事業であり、労働者数が常時50人以上の建設現場であることが申請要件となります。
対象経費
専門家の指導費用
給付額
■事業場コース:1事業場あたり10万円を上限に実費を支給
■建設現場コース:1建設現場あたり10万円を上限に実費を支給
※各コースは1事業場または1建設現場あたり、将来にわたり1回限りの助成となります。
申請期間
取組み実施期間:令和3年4月1日~令和4年3月31日
申請期間:令和3年5月18日~令和4年6月30日(当日消印有効)
職場環境改善計画助成金の募集スケジュール
職場環境改善計画助成金は取組み実施期間と申請期間が定められています。
令和3年度の取組み実施期間は令和3年4月1日から令和4年3月31日まで。申請期間は令和3年5月18日から令和4年6月30日まででしたが、想定を上回る申請があり、令和4年4月22日に申請受付が終了しました。
職場環境改善計画助成金の申請・手続き方法
職場環境改善計画助成金の申請・手続き方法は、他の補助金や助成金と比べて要件の難度が低く、必要書類も比較的集めやすいものとなっています。
定められた申請書の各様式やチェックリストは、独立行政法人労働者健康安全機構のホームページよりダウンロードが可能です。
必要書類
申請には、必要事項を記入した職場環境改善計画助成金支給申請書と、専門家と交わした契約書、専門家であることを証明する書類、専門家へ支払った費用の領収書、ストレスチェック実施後の集団分析結果、職場環境改善計画、労働保険概算・確定保険料申告書、実績報告書、振込先口座が確認できるもの、支給要件確認申立書。チェックリスト兼同意書、事業場宛ての返信用封筒などの書類が必要です。
申請〜受給までの流れ
最初にストレスチェックを実施し、集団分析を行います。その上で専門家と契約を締結し、指導を受け職場環境改善計画を作成、計画に基づき職場環境の改善に取り組みます。
その後、必要書類を揃えて労働者健康安全機構へ職場環境改善計画助成金支給申請を行います。助成金支給決定通知が届いた後、助成金が支払われます。