雇用調整助成金のメリット・デメリット

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産業構造の変化や景気の変動等による経済的な打撃を受け事業活動の縮小を余儀なくされた事業主の方が、休業や出向等による雇用調整を実施し、従業員の雇用を継続した際に活用することができる制度のひとつに、「雇用調整助成金」があります。

今回は、同制度を活用する上でのメリット・デメリットを詳しく解説いたします。

 

雇用調整助成金とは

「雇用調整助成金」は、産業構造の変化や景気の変動等によって経済的な打撃を受け事業活動の縮小を余儀なくされた場合に、労使協定に基づいた雇用調整を行い従業員の雇用の安定や失業の予防を図る事業主の方に必要となる費用の一部を助成することを目的とした制度です。

出向や教育訓練による雇用の維持も助成金の支給対象となり、幅広い雇用調整を実施することができます。

 

雇用調整助成金の4つのメリット

①返済不要の資金を調達することができる

「雇用調整助成金」は、原則として受給後の返済は不要です。

雇用の維持に必要となる費用へ充てることや、従業員への教育訓練等幅広い用途に活用することで事業の継続や発展へと繋げることができます。

 

②従業員の雇用の維持できる

事業活動の縮小を余儀なくされた場合、多くのケースで従業員の解雇等の人員整理を行う必要がありますが、「雇用調整助成金」を活用することで、休業、教育訓練、出向等によって雇用の継続や失業の予防を図り、従業員を守ることができます。

 

③従業員のスキルアップを図ることができる

「雇用調整助成金」は、従業員への教育訓練や出向を行った際にも費用助成の対象となります。

知識や技術の向上など従業員のスキルアップを図ることで、雇用調整が終了した後の事業の拡大へと繋げることができます。

 

従業員の満足度の向上

「雇用調整助成金」を活用することで、休業手当の支払いや雇用の維持、教育訓練の実施によるスキルアップ等、従業員にとって様々なメリットを受けることができます。

従業員の満足度が上がれば、働く上でのモチベーションや生産性の向上を目指すことができます。

 

雇用調整助成金の4つのデメリット

①煩雑な手続きが多く伴う

「雇用調整助成金」の申請を行う際には、休業等の実施計画の策定や申請書類の作成等に煩雑な手続きが多く伴います。

自社での手続きが困難な場合には、助成金業務の専門家である社会保険労務士によるサポートを受けることをオススメいたします。

 

②助成金の支給対象者が限られている

「雇用調整助成金」による費用助成の対象となるのは、雇用保険の被保険者又は雇用保険適用事業所に限られます。

雇用保険の加入手続きを怠っている場合には、同制度による助成金の対象とならないという点には注意が必要です。

 

③助成金の受給までに時間がかかる

「雇用調整助成金」を実際に受給するまでには、計画の作成から計画届の提出、雇用調整の実施、助成金の支給申請、審査等、様々なステップを踏む必要があります。

助成金の受け取りまでには数か月以上の時間がかかるという点にご留意ください。

 

④申請書類に不備があれば助成金の受給に更に時間が必要となる

「雇用調整助成金」を受給する為には、多くのステップを踏む必要がありますが、申請書類に不備があった場合には再度の提出や計画の策定を求められることとなります。

不備のない申請書類を作成することが、助成金の素早い受給へと繋げるポイントとなります。

 

雇用調整助成金の特徴を理解して活用しよう

今回は、「雇用調整助成金」を活用するメリット・デメリットについて解説しました。

同制度の特徴を理解した上で活用することで、従業員の雇用の安定や失業の予防へと繋げることができます。

より詳しく内容を理解したい場合や、自社での雇用調整計画の策定、申請手続き等が困難な場合には、是非社会保険労務士への相談をご検討ください。