中小企業者・小規模事業者等が、設備投資や教育訓練の実施による生産性の向上と事業場内最低賃金の引き上げによって従業員のモチベーションアップを目指す際に活用することができる制度のひとつに、「業務改善助成金」があります。
今回は、同制度の申請を行う際に必要となる書類を一覧にして、具体的な記載内容等について詳しく解説いたします。
業務改善助成金とは?
「業務改善助成金」は、中小企業・小規模事業者等が設備投資や教育訓練の実施による生産性の向上を図り事業場内の最低賃金の引き上げを行った際に、費用の一部を支援することを目的とした制度です。
同制度を活用した積極的な設備投資等により、生産性の向上を目指すことができる他、賃上げによる従業員のモチベーションアップにも繋げることができます。
業務改善助成金申請の必要書類一覧
①交付申請書
「交付申請書」では、業務改善助成金の交付申請をしようとする事業場の所在地や、賃金引上げ計画及び業務改善計画の概要、申請しようとするコース内容、生産性要件について記載します。
②事業実施計画書
「事業実施計画書」では、賃金を引き上げる労働者の氏名・採用年月日・時間給、常時使用する労働者の氏名・採用年月日・時間給、事業場内最低賃金の引き上げ計画について記載します。
③助成対象経費の見積書
「助成対象経費の見積書」は、設備投資や従業員への教育訓練、コンサルティング導入等の生産性の向上に資するもので、業務改善助成金による費用助成の対象となる経費の見積書を提出します。
④生産性要件を満たしていることが確認できる書類
「生産性要件を満たしていることが確認できる書類」は、交付要綱第4条第3項に該当する場合に提出が必要となる書類で、助成金や助成率の上乗せの適用を受けることができます。
⑤特例事業者に該当することを確認できる書類
「特例事業者に該当することを確認できる書類」は、交付要綱第4条第4項に該当する場合に提出が必要となる書類で、助成金の交付上限額の引き上げの適用を受けることができます。
⑥申請前3月分の賃金台帳の写し
「申請前3月分の賃金台帳の写し」は、申請前の時間換算額又は時間給が、引き上げ後の事業場内最低賃金に満たない労働者の賃金台帳の提出を行う必要があります。
⑦国庫補助金所要額調書
「国庫補助金所要額調書」では、総事業費、収入額、差引額、対象経費支出予定額、該当する助成率、消費税等について記載を行います。
⑧その他参考となる資料
上述した申請書類以外にも、労働局等の求めによって助成金受給の為の参考となる資料の提出が求められる場合があります。
また、事業計画変更申請書や事業廃止承認申請書、事業完了予定期日変更報告書等、事業計画に変更が生じた際に提出が必要となる書類もあります。
自社での手続きが困難な場合には、助成金業務の専門家である社会保険労務士へとご相談ください。
業務改善助成金申請が採択されるのは難しい?
「業務改善助成金」は、生産性向上に資する設備投資等とコース区分に合わせた賃上げを行った上で申請を行えば原則として採択されることから、比較的難易度は低いといわれています。
必要に応じて社会保険労務士等の専門家によるサポートを受けながら事業計画の策定や申請書類の作成を行うことで、自社の課題解決や採択率の向上へと繋げることができます。