政府より、製造業を営む事業者が活用できる補助金・助成金制度が設けられています。
新製品・新技術の開発、最新設備の導入、生産性の向上などは、補助金・助成金制度を活用することで効果的に推進することができます。
今回は、その中でも特に活用しやすい補助金・助成金制度を12個ピックアップしました。
事業承継
事業再構築補助金
「事業再構築補助金」は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、当面の需要や売り上げの回復が期待しづらい中、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するために、事業転換、業種転換、業態転換、又は事業再編という思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援するために、予算の範囲内において補助金を交付することを目的とした制度です。
本制度の採択事例ととしては、プラスチックから段ボール弁当箱化による循環経済への貢献、作業環境整備によるステンレス材の制御盤装置製造の実現などが挙げられ、従業員数21〜50名以下の中小企業の場合には1事業者あたり最大4,000万円の交付が予定されています。
対象者 | ※以下、成長分野進出枠(通常類型)の場合 事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業者で事業計画を金融機関等や認定経営革新等支援機関と策定し、確認を受けていること 補助事業終了後3~5年で付加価値額の年平均成長率4.0%以上増加、または従業員一人当たり付加価値額の年平均成長率4.0%以上増加、事業終了後3~5年で給与支給総額を年平均成長率2%以上増加させること。 取り組む事業が、過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種・業態に属していること |
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給付額 | 【従業員数20人以下】100万円~1,500万円(2,000万円) 【従業員数21~50人】100万円~3,000万円(4,000万円) 【従業員数51~100人】100万円~4,000万円(5,000万円) 【従業員数101人以上】100万円~6,000万円(7,000万円) カッコ内は短期に大規模な賃上げ(事業終了時点で、①事業場内最低賃金+45円、②給与支給総額+6%を達成)を行う場合。 また、廃業を伴う場合には、廃業費を最大2,000万円上乗せする。 |
申請期間 | 2024年4月23日(火)〜2024年7月26日(金)まで |
IT化
IT導入補助金
「IT導入補助金」は、中小企業・小規模事業者等が生産性向上に役立つITツールを導入する際に、必要となる経費の一部を予算の範囲内において補助することを目的とした制度です。
本制度の採択事例としては、事業規模にあった会計システムの導入と、経理業務の負荷軽減とスピーディーな経営判断の実現、建築基準法改正に伴う事業拡大とデジタルシフトなどが挙げられ、1事業者あたり最大450万円の交付が予定されています。
対象者 | ※以下、通常枠の場合 IT導入補助金の対象となる中小企業の業種は次の通りです。資本金や従業員数(常勤)のうち、どちらか一方が下記以下であれば、補助金の対象となります。 製造業、建設業、運輸業…資本金3億円、従業員300人 卸売業…資本金1億円、従業員100人 サービス業(下記業種を除く)…資本金5,000万円、従業員100人 ソフトウエア業又は情報処理サービス業…資本金3億円、従業員300人 旅館業…資本金5,000万円、従業員200人 小売業…資本金5,000万円、従業員50人 ゴム製品製造業(タイヤ製造業等を除く)…資本金3億円、従業員900人 その他の業種…資本金3億円、従業員300人 |
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給付額 | 上限450万円 |
申請期間 | 1次締切:2024年3月15日(金)まで 2次締切:2024年4月15日(月)まで 3次締切:2024年5月20日(金)まで 4次締切:2024年6月19日(水)まで 5次締切:2024年7月19日(金)まで 6次締切:2024年8月23日(金)まで |
販路開拓
皮革産業振興対策事業費補助金
「皮革産業振興対策事業費補助金」は、自ら改革意欲を持って前向きな取組みを行う皮革関連産業事業者に対して、予算の範囲内において補助金を交付することを目的とした制度です。
本制度が採択された場合には、1事業者あたり最大1,200万円の交付が予定されており、皮革関連産業の商品開発力やデザイン力の向上と消費者への認知度を高めるための見本市の開催やPR事業に向けての制度活用などが想定されています。
対象者 | 次の要件を満たす者とします。 ①日本に拠点を有していること。 ②皮革・皮革製品関連の業界団体及び皮革・皮革製品関連の4社以上で構成される事業者グループであること。 ③本事業を的確に遂行する組織、人員等を有していること。 ④本事業を円滑に遂行するために必要な経営基盤を有し、かつ、資金等について十分な管理能力を有していること。 ⑤経済産業省からの補助金交付等停止措置又は指名停止措置が講じられている者ではないこと。 |
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給付額 | 上限1,200万円 |
申請期間 | 2024年1月17日(水)~2024年2月16日(金)まで |
人材育成・雇用
雇用調整助成金
「雇用調整助成金」は、景気の変動、産業構造の変化その他の経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、一時的な雇用調整(休業、教育訓練または出向)を実施することによって、従業員の雇用を維持した場合に、予算の範囲内において助成金を交付することを目的とした制度です。
本制度を活用することで、中小企業が教育訓練を実施した場合には1人あたり1日1,200円の加算額の支給が予定されており、製造業における人手不足の解消や人材育成に繋げることができます。
対象者 | 受給するためには、次の要件のいずれも満たすことが必要です。 (1)雇用保険の適用事業主であること。 (2)売上高又は生産量などの事業活動を示す指標について、その最近3か月間の月平均値が前年同期に比べて10%以上減少していること。 (3)雇用保険被保険者数及び受け入れている派遣労働者数による雇用量を示す指標について、その最近3か月間の月平均値が前年同期に比べて、中小企業の場合は10%を超えてかつ4人以上、中小企業以外の場合は5%を超えてかつ6人以上増加していないこと。 (4)実施する雇用調整が一定の基準を満たすものであること。 〔1〕休業の場合 労使間の協定により、所定労働日の全一日にわたって実施されるものであること。 〔2〕教育訓練の場合 〔1〕と同様の基準のほか、教育訓練の内容が、職業に関する知識・技能・技術の習得や向上を目的とするものであること 〔3〕出向の場合 対象期間内に開始され、3か月以上1年以内に出向元事業所に復帰するものであること。 (5)過去に雇用調整助成金の支給を受けたことがある事業主が新たに対象期間を設定する場合、直前の対象期間の満了の日の翌日から起算して一年を超えていること。ただし、令和6年4月1日以降に対象期間の初日がある事業主の場合、前回の対象期間の満了の日の翌日から起算して1年間ではなく、前回の対象期間内の最後の判定基礎期間末日もしくは支給対象期末日(いずれか遅い日)の翌日から起算して一年を超えていること。 |
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給付額 | 教育訓練加算額 中小企業:1,200円 助成率2/3以内 大企業:1,200円 助成率1/2以内 |
申請期間 | 支給対象期の末日の翌日から2か月以内 |
特定求職者雇用開発助成金
「特定求職者雇用開発助成金」は、高年齢者や障害者等の就職困難者をハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者(雇用保険の一般被保険者)として雇い入れる事業主に対して、予算の範囲内において助成金を交付することを目的とした制度です。
本制度を活用することで、特定就職困難者コースの場合には対象労働者1人あたり最大240万円の交付が予定されており、人手不足や人材育成に悩む製造業者による積極的な制度活用が期待されています。
対象者 | ※以下、特定就職困難者コースの場合 本助成金を受給するためには、次の要件のいずれも満たすことが必要です。 (1)ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等(※1)の紹介により雇い入れること (2)雇用保険一般被保険者又は高年齢被保険者として雇い入れ、継続して雇用することが確実であると認められること。具体的には次の機関が該当します。 [1]公共職業安定所(ハローワーク) [2]地方運輸局(船員として雇い入れる場合) [3]適正な運用を期すことのできる有料・無料職業紹介事業者等 特定地方公共団体、厚生労働大臣の許可を受けた有料・無料職業紹介事業者、届出を行った無料職業紹介事業者、または無料船員職業紹介事業者(船員として雇い入れる場合)のうち、本助成金に係る取扱いを行うに当たって、厚生労働省職業安定局長の定める項目のいずれにも同意する旨の届出を労働局長に提出している職業紹介事業者等 |
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給付額 | 上限240万円 |
申請期間 | 各支給対象期の末日の翌日から2か月以内 |
トライアル雇用助成金
「トライアル雇用助成金」は、職業経験の不足などから就職が困難な求職者等を原則3か月間試行雇用することにより、その適性や能力を見極め、期間の定めのない雇用への移行のきっかけとするために、予算の範囲内において助成金を交付することを目的とした制度です。
本制度が採択された場合には、対象労働者1人につき月額4万円(対象労働者が母子家庭の母等または父子家庭の父の場合は5万円)の交付が予定されており、優秀な人材の確保に取り組む製造業者による積極的な制度活用が期待されています。
対象者 | ※以下、一般トライアルコースの場合 本助成金は次の1の対象労働者を2の条件で雇い入れた場合に受給することができます。 1 対象労働者 次の[1]から[4]のいずれにも該当する者であること [1]1週間の所定労働時間が30時間以上の無期雇用による雇入れを希望している者であって、トライアル雇用制度を理解した上で、トライアル雇用による雇入れについても希望している者であること [2]ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等(以下「ハローワーク等」という。)に求職申込をしていること [3]ハローワーク等の職業紹介の日(以下「紹介日」という。)において、次のアからエまでのいずれにも該当しない者であること ア 安定した職業に就いている者 イ 自ら事業を営んでいる者又は役員等に就いている者であって、1週間当たりの実働時間が30時間以上のもの ウ 学校に在籍している者 エ トライアル雇用期間中のトライアル雇用労働者 [4]次のアからオまでのいずれかに該当する者であること ア 紹介日の前日から過去2年以内に、2回以上離職や転職を繰り返している イ 紹介日の前日時点で、離職している期間が1年を超えている ウ 妊娠、出産・育児を理由に離職し、紹介日の前日時点で、安定した職業に就いていない期間が1年を超えている エ 生年月日が1968(昭和43)年4月2日以降で、かつ安定した職業に就いておらず、ハローワーク等において担当者制による個別支援を受けている オ 就職の援助を行うに当たって、特別な配慮を要する(※) ※生活保護受給者、母子家庭の母等、父子家庭の父、日雇労働者、季節労働者、中国残留邦人等永住帰国者、ホームレス、住居喪失不安定就労者、生活困窮者 2 雇入れの条件 [1]ハローワーク等の紹介により雇い入れること [2]原則3か月のトライアル雇用をすること [3]1週間の所定労働時間が、通常の労働者の1週間の所定労働時間(30時間以上)と同じであること。 |
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給付額 | 対象労働者1人につき4万円ただし、対象労働者が母子家庭の母等または父子家庭の父の場合は5万円 |
申請期間 | トライアル雇用終了日の翌日から起算して2か月以内 |