運輸業で活用できる補助金・助成金7選

お役立ち記事

政府より、運輸業を営む事業者が活用できる補助金・助成金制度が設けられています。

優秀な人材の確保、高騰する原油価格対策、新サービスの展開などは、補助金・助成金制度を活用することで効果的に推進することができます。

今回は、その中でも特に活用しやすい補助金・助成金制度を7つピックアップしました。

採択・支援事例

運輸業で活用できる補助金・助成金制度は、優秀な人材の確保、高騰する原油価格対策、新サービスの展開などで採択・支援事例があります。

業態転換による顧客の獲得、大胆な設備投資、省エネ対策、働きやすい職場環境の整備などを目指す事業者の方は、補助金・助成金制度の積極的な活用をご検討ください。

地域活性・まちづくり

地域経済政策推進事業費補助金(輸送等手段の確保支援事業)

「地域経済政策推進事業費補助金(輸送等手段の確保支援事業)」は、東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴い避難指示等の対象となった12市町村において、補助事業者による12市町村の住民等を対象とした衣・食・医等に関する生活関連商品等の提供や広域的な移動サービスの提供に必要となる輸送手段を確保する事業、並びに、企業活動に必要となる製品等を共同して輸送する事業に要する費用の一部を補助することを目的とした制度です。

本制度を活用することで、12市町村の住民等を対象とした広域的な移動サービスの提供に必要となる輸送手段を確保する事業の場合には、人件費等に対して最大3/4以内の費用補助が予定されています。

対象者※以下、12市町村の住民等を対象とした広域的な移動サービスの提供に必要となる輸送手段を確保する事業の場合

(1)基本的事項 次の要件を満たす者とします。 コンソーシアム形式による申請の場合は、幹事者を決めていただくとともに、幹事者が事業提案書を提出してください。(ただし、幹事者が業務の全てを他の者に再委託することはできません。) 

①日本に拠点を有していること。 
②本事業を的確に遂行する組織、人員等を有していること。
③本事業を円滑に遂行するために必要な経営基盤を有し、かつ、資金等について十分な管理能力を有していること。 
④経済産業省からの補助金交付等停止措置又は指名停止措置が講じられている者ではないこと。 

(2)補助対象者 基本的事項(上記(1))に該当する者であって、以下のいずれかに該当する者とします。
 ①12市町村の地方公共団体 
 ②12市町村の商工会議所、商工会、商店街振興組合等
 ③民間企業、医療法人、社会福祉法人等
給付額補助率3/4以内
申請期間2024年2月1日(木)~2024年2月22日(木)まで

販路開拓

小規模事業者持続化補助金

「小規模事業者持続化補助金」は、持続的な経営に向けた経営計画に基づく、小規模事業者等の地道な販路開拓などの取組みや、業務効率化の取組みを支援するため、予算の範囲内において補助金を交付することを目的とした制度です。

本制度の採択事例としては、新たな荷受け対応による実働率向上での新商材開拓事業、荷受け関連のデジタル化などが挙げられ、通常枠の場合では1事業者あたり最大50万円の交付が予定されています。

対象者※以下、通常枠の場合

補助金の補助対象者は、(1)から(4)に掲げる要件(条件)をいずれも満たす日本国内に所在する小規模事業者(個人、又は日本国内に本店を有する法人)等(単独または複数)であることとされています。
 (1)小規模事業者であること 中小企業基本法に定められた「商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律」において、業種ごとに従業員数で小規模事業者であるか否かを判断しています。 ・商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) 常時使用する従業員の数5人以下 ・サービス業のうち宿泊業・娯楽業 常時使用する従業員の数20人以下 ・製造業その他 常時使用する従業員の数20人以下 
 (2)資本金又は出資金が5億円以上の法人に直接又は間接に100%の株式を保有されていないこと(法人のみ)
 (3)確定している(申告済みの)直近過去3年分の「各年」又は「各事業年度」の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと ※上記への該当の有無の確認のため、必要がある場合には、納税証明書等の提出を求められることがあります。  
   (4)下記2つの事業において、本補助金の受付締切日の前10か月以内に、先行する受付締切回で採択を受けて、補助事業を実施ししていないこと(共同申請の参画事業者の場合も含みます)。 
①「令和元年度補正予算 小規模事業者持続化補助金<一般型>」
②「令和2年度第3次補正予算 小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>」 ※採択日から起算して10か月を算定する。
給付額上限50万円 補助率2/3以内
申請期間第16次締切:2024年5月8日(水)〜2024年5月27日(月)まで

経営改善・経営強化

事業再構築補助金

「事業再構築補助金」は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、当面の需要や売り上げの回復が期待しづらい中、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するために、事業転換、業種転換、業態転換、又は事業再編という思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援するために、予算の範囲内において補助金を交付することを目的とした制度です。

本制度の採択事例としては、ニーズに応じた運送事業者者のノウハウを活用したリパック事業、運送ノウハウ及び立地の優位性を活用した「ワンストップ物流」の実現などが挙げられ、1事業者あたり最大7,000万円の交付が予定されています。

対象者※以下、成長分野進出枠(通常類型)の場合

事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業者で事業計画を金融機関等や認定経営革新等支援機関と策定し、確認を受けていること

補助事業終了後3~5年で付加価値額の年平均成長率4.0%以上増加、または従業員一人当たり付加価値額の年平均成長率4.0%以上増加、事業終了後3~5年で給与支給総額を年平均成長率2%以上増加させること。

取り組む事業が、過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種・業態に属していること
給付額【従業員数20人以下】100万円~1,500万円(2,000万円) 
【従業員数21~50人】100万円~3,000万円(4,000万円) 
【従業員数51~100人】100万円~4,000万円(5,000万円) 
【従業員数101人以上】100万円~6,000万円(7,000万円) 

カッコ内は短期に大規模な賃上げ(事業終了時点で、①事業場内最低賃金+45円、②給与支給総額+6%を達成)を行う場合。
また、廃業を伴う場合には、廃業費を最大2,000万円上乗せする。
申請期間2024年4月23日(火)〜2024年7月26日(金)まで

タクシー事業者に対する燃料価格激変緩和対策事業

「タクシー事業者に対する燃料価格激変緩和対策事業」は、現在の原油価格高騰を受け、国民生活等への不測の影響を緩和するため、LPガスを使用するタクシー事業者の燃料価格について時限的・緊急避難的な激変緩和事業に伴う経費に対して補助を行うことで、今後の需要回復局面において、タクシーの供給を順調に回復するための下支えとして必要な支援を実施することを目的とした制度です。

本制度が採択された場合には、事業者ごとに算出された補助金の交付が予定されており、タクシー事業者による積極的な制度活用が期待されています。

対象者交付規程第4条第1項に規程する「間接補助事業者」は、道路運送法(昭和26年法律第183号)第3条第1項ハに規程する一般乗用旅客自動車運送事業を経営するタクシー事業者(法人タクシー、一人一車制個人タクシー、福祉限定タクシー)をいい、補助金申請の時点で、当該事業を行っている者のみを対象とする。
給付額事業者ごとに算出
申請期間2024年6月11日(火)〜2024年8月1日(木)まで

業務改善助成金

「業務改善助成金」は、生産性向上に資する設備投資等(機械設備、コンサルティング導入や人材育成・教育訓練)を行うとともに、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げた場合、その設備投資などにかかった費用の一部を助成することを目的とした制度です。

本制度の採択事例としては、デジタルタコグラフ(運行記録用計器)、乗用草刈機、スイーパーの導入などが挙げられ、30円コースの場合には1事業者あたり最大120万円の交付が予定されています。

対象者※以下、30円コースの場合

(1)中小企業・小規模事業者であること。
(2)事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内である こと。
(3)解雇、賃金引き下げなどの不交付事由がないこと。
給付額上限130万円
申請期間2024年12月27日(金)まで

IT化

IT導入補助金

「IT導入補助金」は、中小企業・小規模事業者等が生産性向上に役立つITツールを導入する際に、必要となる経費の一部を予算の範囲内において補助することを目的とした制度です。

本制度の採択事例としては、送迎バスの管理業務DX化による管理スタッフの業務改革の推進、船舶のリモート環境整備による船上オフィスの効率化の実現などが挙げられ、1事業者あたり最大450万円の交付が予定されています。

対象者※以下、通常枠の場合

IT導入補助金の対象となる中小企業の業種は次の通りです。資本金や従業員数(常勤)のうち、どちらか一方が下記以下であれば、補助金の対象となります。  

製造業、建設業、運輸業…資本金3億円、従業員300人 
卸売業…資本金1億円、従業員100人 
サービス業(下記業種を除く)…資本金5,000万円、従業員100人 
ソフトウエア業又は情報処理サービス業…資本金3億円、従業員300人 
旅館業…資本金5,000万円、従業員200人 
小売業…資本金5,000万円、従業員50人 
ゴム製品製造業(タイヤ製造業等を除く)…資本金3億円、従業員900人 
その他の業種…資本金3億円、従業員300人
給付額上限450万円
申請期間1次締切:2024年3月15日(金)まで
2次締切:2024年4月15日(月)まで
3次締切:2024年5月20日(金)まで
4次締切:2024年6月19日(水)まで
5次締切:2024年7月19日(金)まで
6次締切:2024年8月23日(金)まで

人材育成・雇用

キャリアアップ助成金

「キャリアアップ助成金」は、有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といったいわゆる非正規雇用の労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対して、予算の範囲内において助成金を交付することを目的とした制度です。

本制度を活用することで、中小企業の場合には対象労働者1人につき80万円の交付が予定されており、人手不足に悩む運輸業者による積極的な制度活用が期待されています。

対象者※以下、正社員化コースの場合

次のすべてに該当する事業者が対象です。

①雇用保険適用事業所の事業主。
②雇用保険適用事業所ごとに、キャリアアップ管理者を置いている事業主。
③雇用保険適用事業所ごとに、対象労働者に係るキャリアアップ計画を作成し、管轄労働局長の受給資格の認定を受けた事業主。
④実施するコースの対象労働者の労働条件、勤務状況および賃金の支払い状況等を明らかにする書類を整備し、賃金の算出方法を明らかにすることができる事業主。
⑤キャリアアップ計画期間内にキャリアアップに取り組んだ事業主。
給付額1人あたり

中小企業:80万円(40万円×2期)
大企業:60万円(30万円×2期)
申請期間正社員化した対象労働者に対し、正規雇用労働者としての賃金を6か月分支給した日の翌日から起算して2か月以内