宿泊業で活用できる補助金・助成金15選②

お役立ち記事

政府より、宿泊業を営む事業者が活用できる補助金・助成金制度が設けられています。

自社HPやECサイトの構築、多言語対応、宿泊施設の改装、新サービスの導入などは、補助金・助成金制度を活用することで効果的に推進することができます。

今回は、その中でも特に活用しやすい補助金・助成金制度を15個ピックアップしました。

販路開拓

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」は、中小企業などによる生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資を支援するために、予算の範囲内において補助金を交付することを目的とした制度です。

本制度の活用事例としては、コンシューマー向け「多言語遠隔通訳サービス」の開発、多様化する日本の伝統、寝巻浴衣独自の発想で、他社との差別化などが挙げられ、1事業者あたり最大1億円の交付が予定されています。

対象者ア:資本金又は従業員数(常勤)が一定値以下となる会社又は個人中小企業者(組合関連以外)
イ:「中小企業等経営強化法」第2条第1項に規定される、特定の組合に該当する中小企業者(組合・法人関連) 
ウ:従業員数(常勤)が一定値以下となる個人事業主(小規模企業者・小規模事業者) 
エ:従業員数、資本金額(または出資総額)や組合などの条件を満たす特定事業者の一部 
オ:活動内容や従業員数などの条件を満たす特定非営利活動法人 カ:従業員数が300人以下の「社会福祉法」第32条に規定する所管庁の認可を受け設立されている社会福祉法人
給付額上限1億円
申請期間2024年2月13日(火)〜2024年3月1日(金)まで
2024年3月11日(月)〜2024年3月27日(水)まで

小規模事業者持続化補助金

「小規模事業者持続化補助金」は、持続的な経営に向けた経営計画に基づく、小規模事業者等の地道な販路開拓などの取組みや、業務効率化の取組みを支援するため、予算の範囲内において補助金を交付することを目的とした制度です。

本制度の採択事例としては、セルフチェックインによる非対面の確立、ペットと一緒に泊まれる部屋の改装による新たな顧客層の獲得などが挙げられ、通常枠の場合では1事業者あたり最大50万円の交付が予定されています。

対象者※以下、通常枠の場合

補助金の補助対象者は、(1)から(4)に掲げる要件(条件)をいずれも満たす日本国内に所在する小規模事業者(個人、又は日本国内に本店を有する法人)等(単独または複数)であることとされています。
 (1)小規模事業者であること 中小企業基本法に定められた「商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律」において、業種ごとに従業員数で小規模事業者であるか否かを判断しています。 ・商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) 常時使用する従業員の数5人以下 ・サービス業のうち宿泊業・娯楽業 常時使用する従業員の数20人以下 ・製造業その他 常時使用する従業員の数20人以下 
 (2)資本金又は出資金が5億円以上の法人に直接又は間接に100%の株式を保有されていないこと(法人のみ)
 (3)確定している(申告済みの)直近過去3年分の「各年」又は「各事業年度」の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと ※上記への該当の有無の確認のため、必要がある場合には、納税証明書等の提出を求められることがあります。  
   (4)下記2つの事業において、本補助金の受付締切日の前10か月以内に、先行する受付締切回で採択を受けて、補助事業を実施ししていないこと(共同申請の参画事業者の場合も含みます)。 
①「令和元年度補正予算 小規模事業者持続化補助金<一般型>」
②「令和2年度第3次補正予算 小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>」 ※採択日から起算して10か月を算定する。
給付額上限50万円 補助率2/3以内
申請期間第16次締切:2024年5月8日(水)〜2024年5月27日(月)まで

人材育成・雇用

雇用調整助成金

「雇用調整助成金」は、景気の変動、産業構造の変化その他の経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、一時的な雇用調整(休業、教育訓練または出向)を実施することによって、従業員の雇用を維持した場合に、予算の範囲内において助成金を交付することを目的とした制度です。

本制度を活用することで、中小企業が教育訓練を実施した場合には1人あたり1日1,200円の加算額の支給が予定されており、宿泊業における人手不足の解消や人材育成に繋げることができます。

対象者受給するためには、次の要件のいずれも満たすことが必要です。

 (1)雇用保険の適用事業主であること。 
 (2)売上高又は生産量などの事業活動を示す指標について、その最近3か月間の月平均値が前年同期に比べて10%以上減少していること。 
 (3)雇用保険被保険者数及び受け入れている派遣労働者数による雇用量を示す指標について、その最近3か月間の月平均値が前年同期に比べて、中小企業の場合は10%を超えてかつ4人以上、中小企業以外の場合は5%を超えてかつ6人以上増加していないこと。
 (4)実施する雇用調整が一定の基準を満たすものであること。 
〔1〕休業の場合 労使間の協定により、所定労働日の全一日にわたって実施されるものであること。
〔2〕教育訓練の場合 〔1〕と同様の基準のほか、教育訓練の内容が、職業に関する知識・技能・技術の習得や向上を目的とするものであること
〔3〕出向の場合 対象期間内に開始され、3か月以上1年以内に出向元事業所に復帰するものであること。
 (5)過去に雇用調整助成金の支給を受けたことがある事業主が新たに対象期間を設定する場合、直前の対象期間の満了の日の翌日から起算して一年を超えていること。ただし、令和6年4月1日以降に対象期間の初日がある事業主の場合、前回の対象期間の満了の日の翌日から起算して1年間ではなく、前回の対象期間内の最後の判定基礎期間末日もしくは支給対象期末日(いずれか遅い日)の翌日から起算して一年を超えていること。
給付額教育訓練加算額
中小企業:1,200円 助成率2/3以内
大企業:1,200円 助成率1/2以内
申請期間支給対象期の末日の翌日から2か月以内

人材確保等支援助成金

「人材開発支援助成金」は、労働者の職業生活設計の全期間を通じて段階的かつ体系的な職業能力開発を効果的に促進するため、事業主等が雇 用する労働者に対して職務に関連した専門的な知識及び技能の習得をさせるための職業訓練等を計画に沿って実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成することを目的とした制度です。

本制度は、人手不足の解消に取り組む宿泊業者からも注目を集めており、専門的な知識やホスピタリティ精神を有する優秀な人材の確保と育成に繋げることができます。

対象者※以下、人材育成支援コースの場合
事業主、事業主団体等
給付額賃金助成額に経費助成率を掛け合わせて算出
申請期間訓練終了日の翌日から起算して2か月以内

キャリアアップ助成金 

「キャリアアップ助成金」は、有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といったいわゆる非正規雇用の労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対して、予算の範囲内において助成金を交付することを目的とした制度です。

本制度を活用することで、中小企業の場合には対象労働者1人につき80万円の交付が予定されており、宿泊施設運営の際に必要となる優秀な人材の確保に繋げることができます。

対象者※以下、正社員化コースの場合

次のすべてに該当する事業者が対象です。

①雇用保険適用事業所の事業主。
②雇用保険適用事業所ごとに、キャリアアップ管理者を置いている事業主。
③雇用保険適用事業所ごとに、対象労働者に係るキャリアアップ計画を作成し、管轄労働局長の受給資格の認定を受けた事業主。
④実施するコースの対象労働者の労働条件、勤務状況および賃金の支払い状況等を明らかにする書類を整備し、賃金の算出方法を明らかにすることができる事業主。
⑤キャリアアップ計画期間内にキャリアアップに取り組んだ事業主。
給付額1人あたり
中小企業:80万円(40万円×2期)
大企業:60万円(30万円×2期)
申請期間正社員化した対象労働者に対し、正規雇用労働者としての賃金を6か月分支給した日の翌日から起算して2か月以内

観光

特別な体験の提供等によるインバウンド消費の拡大・質向上推進事業

「特別な体験の提供等によるインバウンド消費の拡大・質向上推進事業」は、我が国が誇る観光資源(自然、文化、食、スポーツ等)を早朝夜間や未公開・非混雑エリア等の十全な活用と組み合わせ、これまでにないインバウンド需要を創出し、特別な体験として提供するために、予算の範囲内において補助金を交付することを目的とした制度です。

本制度の採択事例としては、北陸新幹線・福井開業記念 プレミアム「日本酒・体験ツーリズム」事業などが挙げられ、1事業者あたり最大8,000万円の交付が予定されています。

対象者対象事業者の要件
 (1)国・地方公共団体、独立行政法人  
 (2)民間事業者等(以下のいずれかの要件に合致する場合)
 ・国・地方公共団体、独立行政法人が所有・管理等を行う施設・公園・物品等を、従来は行っていない方法で活用する場合 
 ・国・地方公共団体が所有し、登録DMO及び公益財団法人等が運営管理を行う施設・公園・物品等を、従来は行っていない方法で活用する場合 

活用する施設・公園・物品等について所有・管理等を行う国・地方公共団体、独立行政法人、登録DMO及び公益財団法人の同意を得ること(様式5「国・地方公共団体等の同意書」を使用すること)
給付額上限8,000万円
申請期間1次公募:2024年1月12日(金)~2024年2月8日(木) まで
2次公募:2024年3月27日(水)~2024年4月26日(金)まで

地域観光新発見事業

「地域観光新発見事業」は、地域の観光資源を活用した地方誘客に資する観光コンテンツについて、十分なマーケティングデータを活かした磨き上げから適時適切な誘客につながる販路開拓及び情報発信の一貫した支援を実施するために、予算の範囲内において補助金を交付することを目的とした制度です。

本制度の採択事例としては、北海道クルーズ船寄港地観光造成事業、平取町二風谷に伝わるアイヌ文化の魅力を味わう高付加価値ツアーなどが挙げられ、1事業者あたり最大1,250万円の交付が予定されています。

対象者地方公共団体、DMO、民間事業者等
給付額上限1,250万円 補助率1/2以内
申請期間2024年5月31日(金)〜2024年6月24日(月)まで

オーバーツーリズムの未然防止・抑制による持続可能な観光推進事業

「オーバーツーリズムの未然防止・抑制による持続可能な観光推進事業」は、持続可能な観光地域づくりの実現に向け、観光客の受け入れと住民の生活の質の確保を両立を目指す地域・事業者の意欲的な取組を総合的に支援するために、予算の範囲内において補助金を交付することを目的とした制度です。

本制度の採択事例としては、大月市における富士山観光に係るオーバーツーリズムの未然防止・分散・抑制による 持続可能な観光推進事業などが挙げられ、1事業者あたり最大5,000万円の交付が予定されています。

対象者地方公共団体、観光地域づくり法人(DMO)、民間事業者等
給付額上限5,000万円 補助率1/2以内
申請期間2024年7月19日(金)〜2024年8月8日(木)まで