ものづくり補助金のメリット・デメリット

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設備投資のために返済不要のお金がもらえる「ものづくり補助金」は、企業にとって大変魅力的な財政制度です。

メリットしかないように見えますが、実はデメリットも存在します。それらを理解して計画的に申請しなければ、たくさんの労力と時間をかけて採択されたのに結局受給できなかったということにもなりかねません。

そういったミスを防ぐため、この記事ではものづくり補助金のメリット・デメリットについて解説します。

 

ものづくり補助金とは

ものづくり補助金は、新サービスや試作品の開発、生産性向上を目的とした設備投資にかかる費用の一部を支援する制度で、正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」です。中小企業事業主や小規模事業者等が対象となっています。

補助額は100万円から1,000万円と比較的大型の補助金で、製造業に限らずさまざまな業種で活用できることから人気の制度です。

ものづくり補助金の4つのメリット

①融資とは異なり返済不要

ものづくり補助金は、融資とは異なり原則返済不要のお金を受給できる点が最大のメリットです。

1,000万円を補助額の上限として補助事業に資する費用の1/2〜2/3が補助されるため、財務面の負担が大きく軽減します。

②事業計画をブラッシュアップできる

採択率がおよそ3〜5割程度のものづくり補助金。採択されるためには、ものづくり補助金の趣旨に合致した内容で、実現可能性の高い事業計画を策定する必要があります。

事業計画書の作成を機に自社の事業状況を改めて分析することで、課題整理ができるなどのメリットがあります。

③思い切った設備投資に踏み出せる

自己資金だけでは躊躇われる高額な設備も、ものづくり補助金を活用することで積極的に導入することができます。

生産性が向上すれば売上アップや労働環境の改善も望めます。事業拡大の大きなチャンスになりますね。

④補助金採択企業として信用を得られる

ものづくり補助金が採択されるには、厳しい条件をクリアして審査を通過する必要があります。つまり補助金が採択されたということは、補助金を交付する公的機関の信用を得たということです。

そのため、後に他の補助金制度に申請する際に、優遇されるといったことが考えられます。

ものづくり補助金の4つのデメリット

①事務手続きの煩雑さ

補助金が採択されるには、ものづくり補助金事業が掲げる政策に合致した事業計画の策定が必要です。さらに、内容の充実はもちろん、わかりやすく不備のない計画書を作成しなければなりません。

この煩雑な事務作業は採択後も続きます。そのため交付を断念する事業者が存在するほど。補助金のために本業に支障をきたすのは本末転倒でしょう。

②補助金後払いによるキャッシュフローの悪化

補助金は原則後払いで、補助事業期間終了後に交付申請をしてようやく受給することができます。

そのため、補助事業期間中に行う設備導入費用は一旦自社で支払わなければいけません。その間のキャッシュフローには注意が必要です。

③補助事業実施期間が決められる

補助金が採択されると、補助事業実施期間が決定されます。補助対象となるのは、この期間中に実施した設備導入の費用のみです。

計画前倒しで設備導入が必要となった場合でも、期間外であれば補助対象外となります。期間の制約に注意しましょう。

④補助事業終了後5年間にわたり事業状況の報告を求められる

補助事業を終え無事に補助金を受給できた後も、5年間にわたり毎年事業状況報告書の提出を求められます。

資料の保管なども手間である他、報告に不備が見られた場合補助金の返還を求められることもあるため、期間終了後も気が抜けません。

ものづくり補助金の採択事例

ものづくり補助金で求められるのは、「革新性」です。とはいえ、自社の申請内容に似通った案件がすでに採択されていたとしても問題はありません。

同じ地域内の競合他社と差別化ができて、その事業計画を実施することで競争力の向上が期待できれば、革新性があるとされる可能性が高いです。

他にも、生産性向上と人手不足解消が同時に実現できるなど、複数の課題解決が望める事業計画が採択される傾向にあります。

ものづくり補助金の特徴を理解して活用しよう

活用できる業種が幅広く、申請に関する情報が豊富なものづくり補助金は、ハイレベルな事業計画を策定する応募者が多いため、受給までの難易度が高いです。

採択後も煩雑な事務手続きを行わなければならず、本業との両立が難しいといったこともあります。
ですが返済不要の資金で設備導入費用の一部をまかなえる点は、企業にとって大きなメリットです。ものづくり補助金の特徴を理解して、計画的に活用してくださいね。

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