生産性向上の取り組みや新製品・新サービスの開発などに活用できる「ものづくり補助金」は、中小企業や小規模事業者の強い味方です。
その分、ものづくり補助金を受給するまでにはさまざまな手続きが必要で、それぞれに注意点があります。
この記事では、ものづくり補助金の申請から採択後に行うこと、交付までの流れを一つずつ解説します。
ものづくり補助金の活用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
ものづくり補助金の申請〜採択後の交付までの流れ
①事業計画書を作成する
ものづくり補助金を申請するには、認定支援機関のサポートを受けて事業計画書を作成する必要があります。
また、事業計画書の内容が採択率に大きな影響を与えます。公募要領に記載された審査項目を満たし、わかりやすく記述しましょう。
②電子申請システムで申請する
ものづくり補助金の応募申請は、電子申請システムを利用します。
電子申請システムの利用には、GビズIDプライムアカウントを事前に取得しておく必要があります。
③ものづくり補助金事務局による審査
提出した事業計画書や申請書類を元に、事業の適格性、実施計画、実施方法、実施体制などを、ものづくり補助金事務局が評価し、審査します。
実施される度に要件が変わるため、都度確認が必要です。
④採択・不採択の結果通知
ものづくり補助金事務局より、採択通知が届きます。
採択されたからと言って、この段階ではまだ安心はできません。ものづくり補助金を受給するためには、この後もさまざまな手続きや注意点があります。
⑤説明会に参加
採択後2週間程度の日数をあけて、各都道府県で補助事業についての説明会が開催されます。
手続き方法などの事務的な説明から、補助事業実施中の諸注意などの説明が行われます。
⑥交付申請
採択後の交付申請が、実質的な本審査です。申請時に提出した事業計画書をブラッシュアップして、再び提出します。
その内容を元に事業内容と費用を審査して、交付の可否を決定します。
⑦交付決定後補助事業開始
無事交付が決定されたら、補助事業をスタートします。あくまで、策定した事業計画通りに事業を実施する必要があります。
途中で計画変更を余儀なくされた場合は、計画変更申請が必要です。
⑧補助事業中間監査
補助事業期間中に、中間監査が実施されます。
補助金対象経費となるのは補助事業期間内に支払いが完了している経費のみであり、期間前後に支払いを行ったものは対象外となるため注意が必要です。
⑨補助事業終了後実績報告
補助事業期間終了後、実績報告書を作成して提出します。
報告書には補助事業期間中に取り組んだ内容とその結果や、補助対象経費の詳細を記述し、証拠などを添付します。
⑩実績報告内容の確定検査
実績報告書を元に補助事業実施内容と相違がないか、ものづくり補助金事務局によって確定検査が行われます。
場合によって、事業者は現場確認への同行を求められることがあります。
⑪補助金請求と交付
確定検査の結果、問題なしと認められた場合、補助金の支給金額が決定されます。
決定された金額を補助金事務局に請求することで、補助金交付完了となります。
補助金交付後も、事業完了後5年間は毎年状況報告を行う必要があります。
ものづくり補助金申請時の注意点
ものづくり補助金は応募者が多く、倍率が高いです。そのため、申請時の事業計画書と申請書類の内容が、採択率に大きく影響します。
実施される度に要件が変更されるため、最新の公募要領を必ず確認して事業計画を策定する必要があります。
また、補助対象経費は補助事業実施期間に支払われた経費のみが対象となるため、スケジュールについても十分確認しましょう。
まとめ
返済不要のお金がもらえて事業拡大に役立つものづくり補助金ですが、申請から交付まではたくさんの手間がかかります。
採択決定して一安心と思っていたのに、交付申請や実績報告が難しくて断念してしまう事業者も多いです。
そうならないためにも、ものづくり補助金申請の全体の流れを事前に確認して、計画的に実施計画を立ててくださいね。