「トライアル雇用助成金」は、ハローワークや民間職業紹介事業者等の紹介により技能や職業経験の浅い求職者を試行雇用する際に活用することができる制度です。
多様な人材の確保を図りたいと考える企業により活用される制度ですが、実際に助成金を受給するためにどの様な申請手続きを行えばよいか分からないという事業主の方も少なくありません。
今回は、「トライアル雇用助成金」の代表制度である“一般トライアルコース”を事例に、申請の流れについて詳しく解説いたします。
トライアル雇用助成金の申請の流れ
①トライアル雇用求人票を作成してハローワークに提出する
まずは、トライアル雇用求人票を作成してハローワークに提出します。
求人票を元にハローワークが求職者との面談を実施し、職業経験や希望等のヒアリングを行い、適性と判断された人物が紹介されます。
②求職者の選考
ハローワーク等から紹介された求職者の選考を実施します。
トライアル雇用では面接による選考を原則とし、書類選考はなるべく設けないものとします。
面接では、これまでの職業経験や求職者の希望等のヒアリングを行い、適性を判断します。
③採用の日から2週間以内にトライアル雇用実施計画書をハローワークに提出する
求職者を試行雇用する場合には、採用の日から2週間以内に“トライアル雇用実施計画書”をハローワークに提出します。
“トライアル雇用実施計画書”には、トライアル雇用期間中の労働条件や常用雇用への移行条件等の記載を行います。
④トライアル雇用終了後に勤務継続可否を判断する
原則3か月のトライアル雇用期間が終了した後に求職者の職務遂行能力や適性を判断した上で、勤務継続の可否を判断します。
求職者を常用雇用に移行する場合には、改めて期間の定めのない雇用契約の締結と雇用契約書の作成を行います。
常用雇用に移行しない場合には、契約期間満了によりトライアル雇用を終了します。
⑤助成金の支給申請を行う
助成金を受給するためには、トライアル雇用が終了した日の翌日から起算して2か月以内に、ハローワークか労働局への助成金の支給申請を行います。
申請手続きには、“トライアル雇用結果報告書兼トライアル雇用助成金支給申請書”や“トライアル雇用賃金計算確認票”など様々な書類が必要となります。
支給申請期限は2か月と短いため、計画的に手続きを行わなければなりません。
トライアル雇用助成金申請時の注意点
「トライアル雇用助成金」を活用した人材の確保は、社内教育体制の整備や長期的な目線での人材育成を行うことが前提となります。
また、費用助成額は求職者1人につき月額4万円(最長3か月)と決して多くはなく、資金調達という観点からは他の補助金や公的機関による融資制度の活用を検討するべき場合もあります。
「トライアル雇用助成金」の事業目的をしっかりと理解し、計画的な制度活用を行うことが重要です。
まとめ
今回は、「トライアル雇用助成金」の申請の流れについて解説しました。
助成金を受給するためには、求人票の作成から求職者の試行雇用、トライアル期間終了後の申請書類の提出など様々なステップを踏む必要があります。
自社での申請手続きが困難な場合や、人材確保に向けてより上手く制度活用を行いたいと考える事業主の方は、社会保険労務士等の専門家への相談もご検討ください。