政府より、介護事業を営む事業者が活用できる補助金・助成金制度が設けられています。
IT導入やDX化の推進、優秀な人材の確保、働きやすい職場環境の整備などは、補助金・助成金制度を活用することで効果的に推進することができます。
今回は、その中でも特に活用しやすい補助金・助成金制度を7つピックアップしました。
採択・支援事例
介護事業で活用できる補助金・助成金制度は、IT導入やDX化の推進、優秀な人材の確保、働きやすい職場環境の整備などで採択・支援事例があります。
人手不足の解消、専門知識を有する介護職員の育成、大胆な設備投資、DX化による生産性の向上などを目指す事業者の方は、補助金・助成金制度の積極的な活用をご検討ください。
人材育成・雇用
人材確保等支援助成金
「人材確保等支援助成金」は、魅力ある職場づくりのために労働環境の向上等を図る事業主や事業協同組合等に対して、予算の範囲内において助成金を交付することを目的とした制度です。
本制度を活用することで、派遣元特例コースの場合には、5万円に派遣労働者1人当たり1万円を加算した合計額の支給が予定されており、派遣職員の待遇改善を図る事業者による積極的な制度活用が期待されています。
対象者 | ※以下、派遣元特例コースの場合 支給対象となる事業主は、令和6年5月24日から令和7年3月31日までの間に、次の1及び2のいずれにも該当する派遣元事業主です。 1 令和6年4月1日以降、派遣労働者を雇用する派遣元事業主であること。 2 令和7年3月31日までの間に、賃金制度の整備又は改善を実施し、かつ、以下の(1)又は(2)に該当する派遣元事業主であること。 なお、いずれの場合であっても、旧協定に定める一般賃金を令和6年5月24日に訂正したハローワーク別地域指数より低いハローワーク別地域指数を用いて算出していた派遣元事業主であること。 (1)令和6年4月1日から改めて新協定(令和6年5月24日以降、派遣労働者の賃金が一般賃金の額と同等以上となるよう、改めて締結した労使協定)を締結する日までの間における旧協定(新協定を締結する前の労使協定)の定めによる賃金の額と令和6年5月24日における労働者派遣法施行規則第25条の9に規定する平均的な賃金の額との差額を賃金として支払った派遣元事業主であること。 (2)旧協定に定める派遣労働者の賃金の額が一般賃金の額と同等以上である派遣元事業主であって、当該賃金の額と、令和6年4月1日における労働者派遣法施行規則第25条の9に規定する平均的な賃金の額との差額を勘案し、新協定で定めるところにより派遣労働者に適用される賃金を増額し、当該日から改めて新協定を締結する日までの間における当該増額分を賃金として支払った派遣元事業主であること。 |
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給付額 | 5万円に派遣労働者1人当たり1万円を加算した合計額を支給 |
申請期間 | 2024年6月28日(金)〜 |
中途採用等支援助成金
「中途採用等支援助成金」は、中途採用の拡大等を行う事業主に対して助成金を交付し、転職・再就職者の採用拡大及び人材移動の促進を図るとともに、生涯現役社会の実現を促進することを目的とした制度です。
本制度を活用することで、中途採用拡大コースの場合には、中途採用率の拡大1事業所あたり50万円または70万円の交付が予定されているほか、初めて中途採用を行う事業所などに対しては加算額の支給も予定されています。
対象者 | ※以下、中途採用拡大コースの場合 1.以下の要件に「すべて当てはまる」労働者を雇うこと ・申請事業主に中途採用で雇用される方 ・雇用保険の一般被保険者または高年齢被保険者として雇用される方 ・期間の定めのない労働者として雇用される方 ・雇用日の前日から起算してその日以前1年間、申請事業主の事業所において雇用されていなかった方 ・雇用日の前日から起算してその日以前1年間、申請事業主との関係がなかった方 2.以下のいずれかの方法で、中途採用の拡大を図ること ・中途採用率60 %未満の事業所が対象労働者を2人以上雇用し、中途採用率を中途採用計画期間前と比べて20ポイント以上向上させること ・45歳以上の方を中途採用した実績のない事業所が、中途採用計画期間中に45歳以上の方を初めて中途採用させること ・中途採用についての情報を公開し、かつ対象労働者を10人以上(中小企業の事業主は2人以上)雇用すること |
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給付額 | ◆中途採用拡大助成 ①中途採用率の拡大1事業所あたり50万円または70万円 (中途採用率によって変動) ②今回初めて中途採用をおこなう事業所 ①に加えて10万円 ③45歳以上の方の初採用 1事業所あたり60万円または70万円 (雇用時の年齢が60歳以上の対象労働者を雇用すると70万円) ④情報公表・中途採用者数の拡大(中途採用者数拡大助成) 1事業所あたり30万円 ⑤情報公表・中途採用者数の拡大(定着助成) ④に加えて20万円 ◆生産性向上助成 ①中途採用率の拡大1事業所あたり25万円 ②45歳以上の方の初採用 1事業所あたり30万円 ③情報公表・中途採用者数の拡大 1事業所あたり15万円 |
申請期間 | 計画終了から6カ月経過する日の翌日から2カ月以内 |
特定求職者雇用開発助成金
「特定求職者雇用開発助成金」は、高年齢者や障害者等の就職困難者をハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者(雇用保険の一般被保険者)として雇い入れる事業主に対して、予算の範囲内において助成金を交付することを目的とした制度です。
本制度を活用することで、特定就職困難者コースの場合には対象労働者1人あたり最大240万円の交付が予定されており、人材不足に悩む介護事業者による積極的な制度活用が期待されています。
対象者 | ※以下、特定就職困難者コースの場合 本助成金を受給するためには、次の要件のいずれも満たすことが必要です。 (1)ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等(※1)の紹介により雇い入れること (2)雇用保険一般被保険者又は高年齢被保険者として雇い入れ、継続して雇用することが確実であると認められること。具体的には次の機関が該当します。 [1]公共職業安定所(ハローワーク) [2]地方運輸局(船員として雇い入れる場合) [3]適正な運用を期すことのできる有料・無料職業紹介事業者等 特定地方公共団体、厚生労働大臣の許可を受けた有料・無料職業紹介事業者、届出を行った無料職業紹介事業者、または無料船員職業紹介事業者(船員として雇い入れる場合)のうち、本助成金に係る取扱いを行うに当たって、厚生労働省職業安定局長の定める項目のいずれにも同意する旨の届出を労働局長に提出している職業紹介事業者等 |
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給付額 | 上限240万円 |
申請期間 | 各支給対象期の末日の翌日から2か月以内 |
両立支援等助成金
「両立支援等助成金」は、働きながら子育てや介護を行う労働者が働き続けやすい就業環境を整備している事業主に対して、予算の範囲内において助成金を交付することを目的とした制度です。
本制度を活用することで、介護離職防止支援コースの場合には、介護休業取得時や職場復帰時に最大30万円の交付が予定されており、働きやすい職場環境の整備や優秀な人材の確保、人手不足の解消に向けた積極的な制度活用が期待されています。
対象者 | ※以下、介護離職防止支援コースの場合 介護休業の円滑な取得や、職場復帰の取り組み・介護のために柔軟な就労形態制度の導入などを行い育児・介護休業利用者が生じた事業主 |
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給付額 | 介護休業取得時:上限30万円 職場復帰時:上限30万円 介護両立支援制度:上限30万円 |
申請期間 | 休業取得時:介護休業取得日数が合計5日になった日の翌日から2ヶ月以内 職場復帰時:介護休業終了日の翌日から3ヶ月経過した日の翌日から2ヶ月以内 両立支援制度:利用実績が20日を経過した翌日から1ヶ月経過した日の翌日から2ヶ月以内 |
キャリアアップ助成金
「キャリアアップ助成金」は、有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といったいわゆる非正規雇用の労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対して、予算の範囲内において助成金を交付することを目的とした制度です。
本制度を活用することで、中小企業の場合には対象労働者1人につき80万円の交付が予定されており、介護施設運営の際に必要となる優秀な人材の確保に繋げることができます。
対象者 | ※以下、正社員化コースの場合 次のすべてに該当する事業者が対象です。 ①雇用保険適用事業所の事業主。 ②雇用保険適用事業所ごとに、キャリアアップ管理者を置いている事業主。 ③雇用保険適用事業所ごとに、対象労働者に係るキャリアアップ計画を作成し、管轄労働局長の受給資格の認定を受けた事業主。 ④実施するコースの対象労働者の労働条件、勤務状況および賃金の支払い状況等を明らかにする書類を整備し、賃金の算出方法を明らかにすることができる事業主。 ⑤キャリアアップ計画期間内にキャリアアップに取り組んだ事業主。 |
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給付額 | 1人あたり 中小企業:80万円(40万円×2期) 大企業:60万円(30万円×2期) |
申請期間 | 正社員化した対象労働者に対し、正規雇用労働者としての賃金を6か月分支給した日の翌日から起算して2か月以内 |
人材開発支援助成金
「人材開発支援助成金」は、労働者の職業生活設計の全期間を通じて段階的かつ体系的な職業能力開発を効果的に促進するため、事業主等が雇 用する労働者に対して職務に関連した専門的な知識及び技能の習得をさせるための職業訓練等を計画に沿って実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成することを目的とした制度です。
本制度は、人手不足の解消に取り組む介護事業者からも注目を集めており、専門的な知識及び技能を有する優秀な人材の確保に繋げることができます。
対象者 | ※以下、人材育成支援コースの場合 事業主、事業主団体等 |
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給付額 | 賃金助成額に経費助成率を掛け合わせて算出 |
申請期間 | 訓練終了日の翌日から起算して2か月以内 |
人材確保等支援助成金(介護福祉機器助成コース)
「人材確保等支援助成金(介護福祉機器助成コース)」は、介護事業主が介護福祉機器の導入等を通じて、離職率の低下に取り組んだ場合に、予算の範囲内において助成金を交付することを目的とした制度です。
本制度が採択された場合には、1事業者あたり最大150万円の交付が予定されており、移動・昇降用リフト(立位補助器、非装着型移乗介助機器を含む。) 、装着型移乗介助機器、体位変換支援機器、特殊浴槽などの導入を効果的に推進することができます。
対象者 | 受給するためには、介護事業主が、次の措置を実施することが必要です。 介護福祉機器助成コース 【目標達成助成】 (1) 導入・運用計画の認定 介護労働者の労働環境向上のための介護福祉機器の導入・運用計画を作成し、管轄の労働局長の認定を受けること。 (2)介護福祉機器の導入等 (1)の導入を実施し、適切な運用を行うこと。 (3)(1)、(2)の実施の結果、導入・運用計画期間の終了から1年経過するまでの期間の離職率を、 導入・運用計画を提出する前1年間の離職率よりも、下表に掲げる目標値以上に低下させること (ただし、離職率は30%を上限とします。)。 |
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給付額 | 上限150万円 |
申請期間 | 2024年3月31日(日)まで |