政府により、研究を行う際に活用することができる様々な制度が設けられています。
中小企業・小規模事業者等が研究を行う場合には、補助金・助成金・融資制度を活用した資金調達が必要不可欠となります。
今回は、中小企業・小規模事業者等が研究を行う上で活用しやすい補助金・助成金・融資制度を4種類ご紹介いたします。
研究のために活用できる補助金・助成金とは
研究のために活用できる補助金・助成金・融資制度とは、研究を行う上で必要となる設備投資費用の調達や、税制面での優遇措置を受けることができる制度です。
中小企業・小規模事業者等が新技術開発等を目的として研究を進めるにあたっては、公的制度を活用した資金調達や節税対策を行うことが欠かせません。
研究を通じて技術革新や事業の拡大を目指す経営者の方は、積極的に補助金・助成金・融資制度の活用を検討してください。
研究のために利用できる補助金一覧
政府により、研究のために活用することができる様々な補助金・助成金・融資制度が設けられています。
今回は、中小企業・小規模事業者等でも活用しやすい補助金・助成金・融資制度を一覧にしてまとめました。
研究を行う際にどの様な制度活用や節税対策を行うことができるのか、具体的な事例を踏まえながら詳しく知りたい経営者の方は、是非参考にしてください。
研究成果最適展開支援プログラムA-STEP
「研究成果最適展開支援プログラムA-STEP」は、大学や公的研究機関などで生まれた科学技術に関する研究成果を、国民経済上重要な技術として実用化することで、研究成果を社会へ還元することを目指す技術移転支援を行うことを目的とした融資制度です。
大学等の創出する社会実装志向の多様な技術を、実用化に向けて官民連携で研究を行っていくもので、万が一開発に失敗した場合でも融資金額の90%が返済免除の取り扱いとなります。
対象者 | 企業 |
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研究開発費 | 原則、上限10億円(総額、間接経費含む) |
申請期間 | 通年募集(次の3回の締切を設定)
●2021年7月30日(金)正午 / ●2021年11月30日(火)正午 / ●2022年3月31日(木)正午 |
二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(脱炭素イノベーションによる地域循環共生圏構築事業) 「自動車CASE活用による脱炭素型地域交通モデル構築支援事業」
「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(脱炭素イノベーションによる地域循環共生圏構築事業)」「自動車CASE活用による脱炭素型地域交通モデル構築支援事業」は、脱酸素型交通及び地域の自立・分散型地域エネルギーシステムをテーマに技術、制度のイノベーションを適宜取り入れ、民間の資金や技術力を活用しながら継続的なモデル構築の実施を行うことを目的としています。
本制度に採択された場合、脱炭素に向けた研究に活用可能な費用を最大5億円まで補助を受けることができます。
対象者 | 本補助事業の応募者の要件は以下のいずれかの法人・団体であること。
ア.民間企業(導入する設備等をファイナンスリースにより提供する契 約を行う民間企業を含む。) イ.地方公共団体 ウ.一般社団法人・一般財団法人 エ.特定非営利活動促進法(平成10年法律第7号)第2条第2項に規 定する特定非営利活動法人 オ.道路運送法施行規則(昭和26年運輸省令第75号)第48条第二 号から第八号に掲げる者 カ.その他環境大臣の承認を経て協会が認める者 |
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給付額 | 補助率 1/2(上限5億円) |
申請期間 | 2021年3月1日(月)〜2021年3月26日(金)17 時(必着) |
SBIR制度に基づく支援
「SBIR制度に基づく支援」は、中小企業・小規模事業者等による研究開発と、その成果の実用化・事業化等を一貫して支援することを目的とした制度です。
本制度は、大学の研究者等の事業を営まない個人でも活用することが可能です。
研究開発のため委託費や補助金制度を「特定補助金等」として指定を行い、当該「特定補助金等」の受給を受けて研究開発を行った者は、日本政策金融公庫による特別貸付制度の活用や、特許料の減免などの優遇措置を受けることができます。
対象者 | 中小企業等経営強化法に基づき指定された特定の研究開発補助金や委託費(特定補助金等)の交付を受けた中小企業者及び事業を営んでいない個人(大学等の研究者等) |
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給付額 | ※国立研究開発法人情報通信研究機構から交付する指定補助金等 Beyond 5G 研究開発促進事業に係る委託費及び補助金(基幹課題)の場合
原則として、5億円以下/年、最大10億円※1/年 |
申請期間 | 2021年7月16日(金)〜2021年8月16日(月) |
中小企業技術基盤強化税制(研究開発税制)
「中小企業技術基盤強化税制(研究開発税制)」は、適用除外事業者を除く中小企業者又は農業協同組合等である青色申告法人の各事業年度において、試験研究費の額がある場合において、その試験研究費の額に一定の割合を乗じて算出した金額を、その事業年度の法人税額から控除することを認めた制度です。
「一般試験研究費の額に係る税額控除制度」、「特別試験研究費の額に係る税額控除制度」、「中小企業技術基盤強化税制」の3種類の制度が用意されており、本制度を活用することで最大25%の法人税額控除を受けることができます。
対象者 | 中小企業者(適用除外事業者を除きます。)又は農業協同組合等である青色申告法人 |
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控除率 | 上限25% |
申請期間 | 随時 |
補助金と助成金の違い
中小企業・小規模事業者等が多額の費用投資が必要となる研究を行う際には、公的制度を活用した資金調達を行うことが必要不可欠です。
ここでは、補助金と助成金の違い、制度を活用するメリット・デメリット、申請方法などについて解説いたします。
補助金とは
補助金とは、国や地方公共団体などから一定の要件を満たす個人・法人に対して支給される資金を指します。
高額の設備投資や開発費が必要となる研究においては、数億円規模の補助金制度も多く設けられており、技術の実用化に向けて積極的に活用を検討すべきです。
メリット・デメリット
補助金を活用するメリットは、採択時に高額の費用補助・税制面での優遇措置を受けられることです。
一方で、研究を対象とした補助金制度は、事業計画書や成果報告書等の申請書類の作成に煩雑な手続きが伴うものが多く、申請を行うための難易度が非常に高いという点には注意が必要です。
補助金の申請方法
補助金は、自社で必要書類を作成して申請を行うことができますが、研究を対象とした補助金制度は申請難易度が非常に高いです。
補助金業務や、研究開発等の専門分野に特化した行政書士のサポートの元申請を行うことが採択率の向上に繋がります。
助成金とは
助成金とは、国や地方公共団体などから支給される資金で、個人・法人を問わずに活用することができます。
一定の要件を満たして申請を行えば、原則として取り組みに要した費用の助成を受けることが可能で、補助金と比較した際に資金調達の難易度が低いという特徴があります。
メリット・デメリット
助成金を活用するメリットは、政府の定める取り組みを行い申請を行えば、原則として助成金を受給することができることです。
一方で、補助金と比較した際に受給できる金額が定額である場合が多く、高額の設備投資や開発費が必要となる研究においては、十分な資金調達を行えない可能性もあります。
助成金の申請方法
研究を対象とした助成金は、自社で必要書類を作成して申請を行うことができます。
しかし、事業計画書や成果報告書類の作成など、申請のための難易度は決して低くはなく、補助金と同様に専門家のサポートの元申請を行うことを強くオススメいたします。
研究に関する補助金・助成金を有効活用しよう!
今回は、研究を行う際に活用することができる補助金・助成金・融資制度を4種類ご紹介しました。
高額の設備投資費や開発費が必要となる研究においては、補助金・助成金等の公的制度を活用した資金調達を行うことは必要不可欠です。
補助金業務や研究開発の分野に特化した専門家によるサポートを受けることで、自社の研究に適した制度の選定や円滑な資金調達を実現することができます。
技術革新や新分野の研究に取り組みたいと考える経営者の方は、一度行政書士等の専門家へ相談されてみてはいかがでしょうか。