政府より、農業を営む事業者が活用できる補助金・助成金制度が設けられています。
大胆な設備投資、農作物の販路開拓や6次産業化、優秀な人材の確保などは、補助金・助成金制度を活用することで効果的に推進することができます。
今回は、その中でも特に活用しやすい補助金・助成金制度を12個ピックアップしました。
人材育成・雇用
雇用就農資金
「雇用就農資金」は、50歳未満の就農希望者を新たに雇用する農業法人等に対して、予算の範囲内において補助金を交付することで、人手不足の解消や優秀な人材の確保を目指すことを目的とした制度です。
本制度を活用することで、雇用就農者育成 独立支援タイプの場合には、年間最大60万円(月額5万円)の交付が予定されており、事業拡大を目指す農業法人による積極的な制度活用が期待されています。
対象者 | ※以下、雇用就農者育成 独立支援タイプの場合
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給付額 | 年間最大60万円(月額5万円) |
申請期間 | 2024年7月3日(水)〜2024年8月7日(水)まで |
キャリアアップ助成金
「キャリアアップ助成金」は、有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といったいわゆる非正規雇用の労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対して、予算の範囲内において助成金を交付することを目的とした制度です。
本制度を活用することで、中小企業の場合には対象労働者1人につき80万円の交付が予定されており、人手不足の解消を目指す農業者から注目を集めています。
対象者 | ※以下、正社員化コースの場合 次のすべてに該当する事業者が対象です。 ①雇用保険適用事業所の事業主。 ②雇用保険適用事業所ごとに、キャリアアップ管理者を置いている事業主。 ③雇用保険適用事業所ごとに、対象労働者に係るキャリアアップ計画を作成し、管轄労働局長の受給資格の認定を受けた事業主。 ④実施するコースの対象労働者の労働条件、勤務状況および賃金の支払い状況等を明らかにする書類を整備し、賃金の算出方法を明らかにすることができる事業主。 ⑤キャリアアップ計画期間内にキャリアアップに取り組んだ事業主。 |
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給付額 | 1人あたり 中小企業:80万円(40万円×2期) 大企業:60万円(30万円×2期) |
申請期間 | 正社員化した対象労働者に対し、正規雇用労働者としての賃金を6か月分支給した日の翌日から起算して2か月以内 |
トライアル雇用助成金
「トライアル雇用助成金」は、職業経験の不足などから就職が困難な求職者等を原則3か月間試行雇用することにより、その適性や能力を見極め、期間の定めのない雇用への移行のきっかけとするために、予算の範囲内において助成金を交付することを目的とした制度です。
本制度が採択された場合には、対象労働者1人につき月額4万円(対象労働者が母子家庭の母等または父子家庭の父の場合は5万円)の交付が予定されており、人材確保や育成に悩む農業法人などによる積極的な制度活用が期待されています。
対象者 | ※以下、一般トライアルコースの場合 本助成金は次の1の対象労働者を2の条件で雇い入れた場合に受給することができます。 1 対象労働者 次の[1]から[4]のいずれにも該当する者であること [1]1週間の所定労働時間が30時間以上の無期雇用による雇入れを希望している者であって、トライアル雇用制度を理解した上で、トライアル雇用による雇入れについても希望している者であること [2]ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等(以下「ハローワーク等」という。)に求職申込をしていること [3]ハローワーク等の職業紹介の日(以下「紹介日」という。)において、次のアからエまでのいずれにも該当しない者であること
2 雇入れの条件 [1]ハローワーク等の紹介により雇い入れること [2]原則3か月のトライアル雇用をすること [3]1週間の所定労働時間が、通常の労働者の1週間の所定労働時間(30時間以上)と同じであること。 |
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給付額 | 対象労働者1人につき4万円 ただし、対象労働者が母子家庭の母等または父子家庭の父の場合は5万円 |
申請期間 | トライアル雇用終了日の翌日から起算して2か月以内 |
業務改善助成金
「業務改善助成金」は、生産性向上に資する設備投資等(機械設備、コンサルティング導入や人材育成・教育訓練)を行うとともに、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げた場合、その設備投資などにかかった費用の一部を助成することを目的とした制度です。
本制度の採択事例としては、トラクター装着型ハンマーナイフモア(草刈り機)、電動高所用作業車、ハウス内計器の警報装置の導入などが挙げられ、30円コースの場合には1事業者あたり最大120万円の交付が予定されています。
対象者 | ※以下、30円コースの場合 (1)中小企業・小規模事業者であること。 (2)事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内である こと。 (3)解雇、賃金引き下げなどの不交付事由がないこと。 |
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給付額 | 上限130万円 |
申請期間 | 2024年12月27日(金)まで |
企業・創業
農業次世代人材投資資金
「農業次世代人材投資資金」は、次世代を担う農業者となることを志向する者に対し、就農前の研修を後押しする資金(2年以内)及び就農直後の経営確立を支援する資金(3年以内)を予算の範囲内において交付することを目的とした制度です。
本制度を活用することで、就農準備資金の場合には年間最大150万円が最長2年間にわたって支給され、新規就農者や農業に関心を抱く若年層などから注目を集めています。
対象者 | ※以下、就農資金の場合 交付対象者の主な要件(すべて満たす必要があります)
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給付額 | 年間150万円を最長2年間にわたって支給 |
申請期間 | 随時 |
経営発展支援
「経営発展支援」は、就農後の経営発展のために、都道府県が機械・施設等の導入を支援する場合、都道府県支援分の2倍を国が支援することを目的とした制度です。
本制度を活用することで、機械・施設等の取得、改良又はリース、家畜の導入、果樹・茶の新植・改植、農地等の造成、改良または復旧などを効果的に推進することが可能であり、積極的な設備投資を目指す農業法人にとって特に活用を検討したい制度のひとつです。
対象者 | 交付対象者の主な要件(すべて満たす必要があります) 就農時の年齢が、原則49歳以下の認定新規就農者であること 令和5年度又は令和6年度中に新たに農業経営を開始し、独立・自営就農すること
就農する市町村の「目標地図」に位置づけられていること(見込みも可)、「人・農地プラン 」に中心経営体として位置づけられていること(見込みも可)、又は農地中間管理機構から農地を借り受けていること 本人負担分の経費について、融資機関から融資を受けること(青年等就農資金を活用可) |
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給付額 | 機械・施設等導入にかかる経費の上限1,000万円(経営開始資金の交付対象者は上限500万円)に対し、都道府県支援分の2倍を国が支援します(国の補助上限 1/2) |
申請期間 | 随時 |