ベンチャー企業が活用できる補助金・助成金12選②

お役立ち記事

政府より、ベンチャー企業を営む事業者が活用できる補助金・助成金制度が設けられています。

新製品や新サービスの導入、優秀な人材の確保、従業員の処遇改善などは、補助金・助成金制度を活用することで効果的に推進することができます。

今回は、その中でも特に活用しやすい補助金・助成金制度を12個ピックアップしました。

人材育成・雇用

人材確保等支援助成金

「人材確保等支援助成金」は、魅力ある職場づくりのために労働環境の向上等を図る事業主や事業協同組合等に対して、予算の範囲内において助成金を交付することを目的とした制度です。

本制度を活用することで、派遣元特例コースの場合には、5万円に派遣労働者1人当たり1万円を加算した合計額の支給が予定されており、魅力ある職場づくりに取り組むベンチャー企業から注目を集めています。

対象者※以下、派遣元特例コースの場合

支給対象となる事業主は、令和6年5月24日から令和7年3月31日までの間に、次の1及び2のいずれにも該当する派遣元事業主です。
  1 令和6年4月1日以降、派遣労働者を雇用する派遣元事業主であること。 
  2 令和7年3月31日までの間に、賃金制度の整備又は改善を実施し、かつ、以下の(1)又は(2)に該当する派遣元事業主であること。  なお、いずれの場合であっても、旧協定に定める一般賃金を令和6年5月24日に訂正したハローワーク別地域指数より低いハローワーク別地域指数を用いて算出していた派遣元事業主であること。
 (1)令和6年4月1日から改めて新協定(令和6年5月24日以降、派遣労働者の賃金が一般賃金の額と同等以上となるよう、改めて締結した労使協定)を締結する日までの間における旧協定(新協定を締結する前の労使協定)の定めによる賃金の額と令和6年5月24日における労働者派遣法施行規則第25条の9に規定する平均的な賃金の額との差額を賃金として支払った派遣元事業主であること。 
(2)旧協定に定める派遣労働者の賃金の額が一般賃金の額と同等以上である派遣元事業主であって、当該賃金の額と、令和6年4月1日における労働者派遣法施行規則第25条の9に規定する平均的な賃金の額との差額を勘案し、新協定で定めるところにより派遣労働者に適用される賃金を増額し、当該日から改めて新協定を締結する日までの間における当該増額分を賃金として支払った派遣元事業主であること。
給付額5万円に派遣労働者1人当たり1万円を加算した合計額を支給
申請期間2024年6月28日(金)〜

キャリアアップ助成金

「キャリアアップ助成金」は、有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といったいわゆる非正規雇用の労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対して、予算の範囲内において助成金を交付することを目的とした制度です。

本制度を活用することで、中小企業の場合には対象労働者1人につき80万円の交付が予定されており、ベンチャー企業立ち上げの際に必要となる優秀な人材の確保に繋げることができます。

対象者※以下、正社員化コースの場合

次のすべてに該当する事業者が対象です。

①雇用保険適用事業所の事業主。
②雇用保険適用事業所ごとに、キャリアアップ管理者を置いている事業主。
③雇用保険適用事業所ごとに、対象労働者に係るキャリアアップ計画を作成し、管轄労働局長の受給資格の認定を受けた事業主。
④実施するコースの対象労働者の労働条件、勤務状況および賃金の支払い状況等を明らかにする書類を整備し、賃金の算出方法を明らかにすることができる事業主。
⑤キャリアアップ計画期間内にキャリアアップに取り組んだ事業主。
給付額1人あたり
中小企業:80万円(40万円×2期)
大企業:60万円(30万円×2期)
申請期間正社員化した対象労働者に対し、正規雇用労働者としての賃金を6か月分支給した日の翌日から起算して2か月以内

中途採用等支援助成金

「中途採用等支援助成金」は、中途採用の拡大等を行う事業主に対して助成金を交付し、転職・再就職者の採用拡大及び人材移動の促進を図るとともに、生涯現役社会の実現を促進することを目的とした制度です。

本制度を活用することで、中途採用拡大コースの場合には、中途採用率の拡大1事業所あたり50万円または70万円の交付が予定されているほか、45歳以上の人材の中途採用を行う事業所などに対しては加算額の支給も予定されています。

対象者※以下、中途採用拡大コースの場合

1.以下の要件に「すべて当てはまる」労働者を雇うこと

 ・申請事業主に中途採用で雇用される方 ・雇用保険の一般被保険者または高年齢被保険者として雇用される方
 ・期間の定めのない労働者として雇用される方
 ・雇用日の前日から起算してその日以前1年間、申請事業主の事業所において雇用されていなかった方 
 ・雇用日の前日から起算してその日以前1年間、申請事業主との関係がなかった方

2.以下のいずれかの方法で、中途採用の拡大を図ること
 ・中途採用率60 %未満の事業所が対象労働者を2人以上雇用し、中途採用率を中途採用計画期間前と比べて20ポイント以上向上させること
 ・45歳以上の方を中途採用した実績のない事業所が、中途採用計画期間中に45歳以上の方を初めて中途採用させること
 ・中途採用についての情報を公開し、かつ対象労働者を10人以上(中小企業の事業主は2人以上)雇用すること
給付額◆中途採用拡大助成

①中途採用率の拡大1事業所あたり50万円または70万円 (中途採用率によって変動)
②今回初めて中途採用をおこなう事業所 ①に加えて10万円 
③45歳以上の方の初採用 1事業所あたり60万円または70万円 (雇用時の年齢が60歳以上の対象労働者を雇用すると70万円) 
④情報公表・中途採用者数の拡大(中途採用者数拡大助成) 1事業所あたり30万円 
⑤情報公表・中途採用者数の拡大(定着助成) ④に加えて20万円

◆生産性向上助成

①中途採用率の拡大1事業所あたり25万円 
②45歳以上の方の初採用 1事業所あたり30万円 
③情報公表・中途採用者数の拡大 1事業所あたり15万円
申請期間計画終了から6カ月経過する日の翌日から2カ月以内

労働移動支援助成金

「労働移動支援助成金」は、企業が労働者に離職(解雇)を推奨する際、労働者の再就職支援を委託し、再就職援助計画等対象労働者の早期雇入れ拡大と、生産性を向上させた場合に、助成金を交付することを目的とした制度です。

本制度を活用することで、再就職支援コースの場合には、対象労働者1人あたり最大60万円の交付が予定されており、優秀な人材の再就職支援などに繋げることができます。

対象者※以下、再就職支援コースの場合

申請企業が満たさなければならない条件は以下のとおりです。 
・雇用保険の適用事業者であること 
・支給の審査に関して以下のとおり協力することを承諾していること  ┗必要書類を整備・保管する 
┗労働局から必要書類の提出を求められた際に応じる  
┗管轄の労働局の実地調査を受け入れる
・定められた申請期間内に申請すること 
・以下のいずれかに当てはまる事業主であること
  ┗事業活動の指標が、前年に比べて10%以上減少している(直前3ヶ月の平均で判断を原則として、直近1年間の平均や将来3年以内に10%以上減少する見込みでも可) 
 ┗直近決算の経常利益が赤字もしくは将来3年以内に赤字になる見込み 
・中小企業ではない場合、再就職支援サービス事業者に委託する対象者の人数が30人以上であること
給付額上限60万円
申請期間離職対象者の再就職が実現した日以降の、助成対象期限の翌日から2ヶ月以内

特定求職者雇用開発助成金

「特定求職者雇用開発助成金」は、高年齢者や障害者等の就職困難者をハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者(雇用保険の一般被保険者)として雇い入れる事業主に対して、予算の範囲内において助成金を交付することを目的とした制度です。

本制度を活用することで、特定就職困難者コースの場合には対象労働者1人あたり最大240万円の交付が予定されており、人材不足に悩むベンチャー企業による積極的な制度活用が期待されています。

対象者※以下、特定就職困難者コースの場合

本助成金を受給するためには、次の要件のいずれも満たすことが必要です。

 (1)ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等(※1)の紹介により雇い入れること 
 (2)雇用保険一般被保険者又は高年齢被保険者として雇い入れ、継続して雇用することが確実であると認められること。具体的には次の機関が該当します。
 [1]公共職業安定所(ハローワーク)
 [2]地方運輸局(船員として雇い入れる場合)
 [3]適正な運用を期すことのできる有料・無料職業紹介事業者等 特定地方公共団体、厚生労働大臣の許可を受けた有料・無料職業紹介事業者、届出を行った無料職業紹介事業者、または無料船員職業紹介事業者(船員として雇い入れる場合)のうち、本助成金に係る取扱いを行うに当たって、厚生労働省職業安定局長の定める項目のいずれにも同意する旨の届出を労働局長に提出している職業紹介事業者等
給付額上限240万円
申請期間各支給対象期の末日の翌日から2か月以内

事業承継

事業再構築補助金

「事業再構築補助金」は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、当面の需要や売り上げの回復が期待しづらい中、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するために、事業転換、業種転換、業態転換、又は事業再編という思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援するために、予算の範囲内において補助金を交付することを目的とした制度です。

本制度の採択事例としては、住宅街への小型・DS出店による仕入先・商品拡充とEC強化、一棟貸し宿泊施設と農業体験提供による新市場進出などが挙げられ、1事業者あたり最大7,000万円の交付が予定されています。

対象者※以下、成長分野進出枠(通常類型)の場合

事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業者で事業計画を金融機関等や認定経営革新等支援機関と策定し、確認を受けていること

補助事業終了後3~5年で付加価値額の年平均成長率4.0%以上増加、または従業員一人当たり付加価値額の年平均成長率4.0%以上増加、事業終了後3~5年で給与支給総額を年平均成長率2%以上増加させること。

取り組む事業が、過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種・業態に属していること
給付額【従業員数20人以下】100万円~1,500万円(2,000万円) 
【従業員数21~50人】100万円~3,000万円(4,000万円) 
【従業員数51~100人】100万円~4,000万円(5,000万円) 
【従業員数101人以上】100万円~6,000万円(7,000万円) 

カッコ内は短期に大規模な賃上げ(事業終了時点で、①事業場内最低賃金+45円、②給与支給総額+6%を達成)を行う場合。
また、廃業を伴う場合には、廃業費を最大2,000万円上乗せする。
申請期間2024年4月23日(火)〜2024年7月26日(金)まで