中小企業や小規模事業者、個人事業主がITツールの導入に活用できるIT導入補助金は、業種を問わず活用しやすい人気の制度です。
ですが補助金は申請などの手続きが煩雑で、手が出しにくいと二の足を踏んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、IT導入補助金の申請から採択後の交付までの流れと、申請時の注意点について解説します。
IT導入補助金の申請〜採択後の交付までの流れ
①自社課題の把握と要件定義
自社の課題の把握と要件定義がなされていない状態でやみくもにITツールを導入しても、費用対効果が得られなければ意味がありません。
本当にITツールの導入が必要なのか、まずは自社の状況を分析し、必要な機能をまとめることからはじめましょう。
②補助事業の内容を確認
IT導入補助金の公募要領を読み、自社は申請対象になるのか、採択審査時に加点対象となる取り組みにはどのようなものがあるのか、などの詳細を確認します。
③IT導入支援事業者の選定
IT導入支援事業者を選定します。ただし、先にIT導入支援事業者だけを決めてしまうと、導入できるITツールが限られてしまうことがあります。
検討中のITツールを登録しているIT導入支援事業者の中から選定するとよいでしょう。
④ITツールの選定
交付申請を行う前に、自社の事業内容や経営課題、ニーズなどをIT導入支援事業者と共有し、目的に合ったITツールを選定します。
⑤「gBizIDプライム」アカウント登録と「SECURITY ACTION」を宣言する
交付申請には、「gBizIDプライム」アカウント登録と、「SECURITY ACTION」の宣言が必要です。
「gBizIDプライム」は、発行まで2週間程度を要するので余裕をもって手続きしましょう。
⑥交付申請
IT導入支援事業者と相談の上、補助事業の計画が策定できたらオンラインで交付申請を行います。
事業者とIT導入支援事業者がそれぞれに必要事項を入力し、お互いが内容の最終確認を行った後、事務局に提出し、交付申請が完了します。
⑦補助事業開始
申請が採択されたら、ITツールの発注、契約、支払いを行い、補助事業を開始します。
交付が決定される前に行われた発注や契約、支払いは補助対象外となるため注意が必要です。
⑧事業実績報告
補助事業が終了したら、ITツールを導入したことが証明できる発注書、契約書、納品書、支払い明細などの証拠を添付し、事業実績報告書をオンライン上で作成します。
その後、事業者が作成した事業実績報告書をIT導入支援事業者が確認の上、必要事項を入力します。
事業者とIT導入支援事業者が双方で最終確認を行った後、事業者が事務局に提出します。
⑨交付手続き
事業実績報告を行った後に、補助金額が確定されます。オンライン上で補助金額を確認すると手続きが完了し、補助金が交付されます。
⑩事業実施効果報告
補助金が支払われた後も、定められた期間内は「事業実施効果報告」という生産性向上に関する実績の報告を行う必要があります。
事業実施効果報告はIT導入支援事業者が代理で行います。
IT導入補助金申請時の注意点
IT導入補助金は、申請に必要な「gBizプライム」のアカウント登録に2週間を要したり、IT導入支援事業のサポート開始まで時間がかかることがあるため、時間的な余裕をもって取り組む必要があります。
また、交付が決定されて補助事業が開始される前に支払った費用は補助対象外となる点にも注意が必要です。
まとめ
IT導入補助金は、IT導入支援事業者のサポートを受けながら申請をするため、他の補助金制度と比べて事業者の負担が多少軽く済むのが特徴です。
業務効率化、働き方改革、売上アップ、感染症対策のための非対面化など、ITツールは業種を問わず大きな恩恵をもたらします。
自社の事業内容を振り返り、ITツールを導入することで生産性向上が望める場合は、IT導入補助金の活用を検討してみてくださいね。