環境対策のために利用できる補助金・助成金3選

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新型コロナウイルス感染症の影響で世界各国と都市が都市封鎖したことで、二酸化炭素の排出量が増加したと報告されています。

我々の生活様式が変化したことで環境対策の強化は急務となり、新たな設備機械の導入を検討している事業者も多いのではないでしょうか。

今回は、環境対策に活用できる補助金・助成金を3つ厳選し、紹介します。

環境対策のために活用できる補助金・助成金とは

環境省などの公的機関から、環境対策のために活用できる補助金・助成金が交付されています。

環境対策に役立つ設備機器は高額であることが多く、一事業者が自力で導入するには高いハードルが課せられています。

補助金・助成金の制度を活用すれば、設備導入や諸費用の一部を補うことができたり、低金利で融資を受けたりといったことが可能になります。

環境対策を計画している事業者はぜひ参考にしてください。

環境対策のために利用できる補助金一覧

それでは、環境対策に利用できる補助金・助成金の一覧を紹介します。

それぞれの事業の対象者や給付額、申請期間についても解説していますので、導入を検討している環境対策に合わせて、適したものをお選びください。

令和3年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(環境配慮型先進トラック・バス導入加速事業)

「二酸化炭素排出抑制対策事業費等排出抑制対策事業費等補助金」の環境配慮型先進トラック・バス導入加速事業は、貨物車やバスによる二酸化炭素排出量の削減を目的とする事業です。

事業者が環境配慮型先進トラックやバスの導入や、電気自動車用充電設備の設置を行う際に要する経費の一部を補助します。

ただし、充電設備の設置費用は車両導入と同時に行う場合のみ補助対象となるため、注意が必要です。

対象者 【補助対象事業者】
①トラック・バスを事業の用に供する者
②トラック・バスの貸渡し(リース)を業とする者(①に貸渡す者に限る)【補助対象車両】
自動車製造事業者から事前登録された車両に限る。
①電気トラック、ハイブリッドトラック、天然ガストラック
②電気バス(プラグインハイブリッドバスを含む)、ハイブリッドバス【補助対象充電設備】
(充電設備は導入車両と一体的に申請する場合に限ります。)
①急速充電設備
②普通充電設備
給付額 ①車両
標準的燃費水準の車両との差額の一定率
・電気自動車(EV) 2/3
・ハイブリッド自動車(HV) 1/2
・天然ガス自動車(NGV) 1/2②天然ガス自動車(NGV) 1/2
補助対象経費(見積額のうち、JATAが認めた額)の1/2
但し、充電設備工事額は充電設備(機器類)を上限とする。
申請期間 実績申請 令和3年4月1日(木)〜令和4年1月31日(月)
通常申請 令和3年7月1日(木)〜令和4年1月31日(月)

環境・エネルギー対策資金(公害防止対策関係)

公害防止対策に関する「環境・エネルギー対策資金」は、 環境法令を守り、環境に配慮する事業者に対して、公害防止対策に必要な資金を融資する制度です。

非化石エネルギーの導入や省エネルギー化、再生資源の活用などを行い、公害防止や環境対策に積極的に取り組む中小企業が対象となります。

運転資金の融資を受ける場合、貸付限度額は中小企業事業は2億5,000万円以内、国民生活事業は4,800万円以内となり条件が異なります。

対象者 大気汚染対策、アスベスト対策、水質汚濁対策、産業廃棄物処理、3R事業、プラスチック資源循環関連事業、PCB廃棄物の処分、土壌汚染対策を実施する方________________

以下参考
■非化石エネルギー関連
非化石エネルギーを導入するために必要な設備を設置する方

■省エネルギー関連
法定耐用年数を超過した既存設備を更新・増強するための同種の新たな設備を取得し、省エネルギーの推進を図る方

■アスベスト関連
アスベストを発生または飛散する方(既存建築物における吹付けアスベスト等の除去、封じ込めまたは囲い込みを行う方及びアスベスト廃棄物の処理を行う方を含みます。)

■PCB廃棄物関連
ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法第2条第1項に規定するポリ塩化ビフェニル廃棄物(以下「PCB廃棄物」という。)を自ら処分または処分を委託する方

■再生可能資源関連
プラスチックを代替する再生可能資源由来の原材料などを製造するために必要な設備を整備する方

■土壌汚染対策法関連
土壌汚染対策法に規定する特定有害物質による土壌汚染の調査、除去、当該汚染の拡散の防止、その他必要な措置を行う方(ただし、業として当該措置を行う方を除きます。)

■建設機械等関連・特定特殊自動車関連

  • 国土交通省が策定した「排出ガス対策型建設機械の普及促進に関する規程」または「第3次排出ガス対策型建設機械指定要領」に基づき指定された建設機械を取得する方
  • 国土交通省が策定した「低炭素型建設機械の認定に関する規程」に基づき認定された建設機械または「燃費基準達成建設機械の認定に関する規程」に基づき燃費基準達成建設機械に認定された建設機械を取得する方
  • 「特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律」における基準適合表示の付された特定特殊自動車を取得する方(2006年基準適合表示を付されたものまたは2011年基準適合表示を付されたものを取得される方を除きます。)

※リースまたはレンタルする方を含みます。

■リサイクル製品等関連
1.産業廃棄物の排出を抑制するために必要な施設を整備する方
2.廃棄物、使用済み物品等または副産物を原材料として利用するために必要な設備を設置する方

■産業廃棄物関連
産業廃棄物を生じる方または産業廃棄物の処理を行う方

給付額 【大気汚染関連、水質汚濁関連、アスベスト対策関連、産業廃棄物・3R・プラスチック資源循環関連、PCB廃棄物対策関連、土壌汚染対策関連】
貸付限度額
中小企業事業→7億2,000万円以内【アスベスト対策関連、産業廃棄物・3R・プラスチック資源循環関連、PCB廃棄物対策関連、土壌汚染対策関連】
貸付限度額
国民生活事業→7,200万円以内________________以下参考

■非化石エネルギー関連
融資限度額 7,200万円

■省エネルギー関連
融資限度額 7,200万円

■アスベスト関連
融資限度額 7,200万円(うち運転資金4,800万円)

■PCB廃棄物関連
融資限度額 4,800万円

■再生可能資源関連
融資限度額 7,200万円

■土壌汚染対策法関連
融資限度額 4,800万円

■建設機械等関連・特定特殊自動車関連
融資限度額 7,200万円

■リサイクル製品等関連
融資限度額 7,200万円

■産業廃棄物関連
融資限度額 7,200万円

申請期間 定めなし

環境・エネルギー対策資金(省エネルギー関連)

省エネルギーに関する「環境・エネルギー対策資金」は、省エネルギーに役立つと見込まれる設備の導入に必要な資金を融資する制度です。

証明書発行団体の証明を受けた設備機器であれば、通常よりもさらに低金利で融資を受けることができます。

省エネルギー化に優れた設備は高額なものが多く、導入のハードルが高いもの。持続可能な社会を目指し、省エネルギーの設備導入を検討している事業者は、環境・エネルギー対策資金を積極的に活用すると良いでしょう。

対象者 ■省エネルギー関連
法定耐用年数を超過した既存設備を更新・増強するための同種の新たな設備を取得し、省エネルギーの推進を図る方
給付額 ■省エネルギー関連
融資限度額 7,200万円
申請期間 定めなし

補助金と助成金の違い

補助金、助成金は共に返済の必要がなく、事業拡大や労働環境の改善への取り組みなど様々な用途に使え、企業にとって大きな力となります。

ただし、一概に補助金、助成金といっても、その内容は様々です。ここでは補助金と助成金の違いについて解説します。

補助金とは

補助金の多くは、申請の際に事業計画や目標を明確に設定する必要があります。その後、実際に事業を行った結果を審査し、要件を満たした場合に補助金が支給されます。

メリット・デメリット

補助金を申請する際に事業計画を立てることで、自社の課題が明確となり、経営指針が改められるというメリットがあります。

しかし、申請しただけでは承認されず、計画を達成できなければ支給されない点には注意が必要です。

また、補助金には予算が決められており、件数も限定されていることが多いです。倍率が高く、申請しても採択されにくいといったデメリットもあります。

補助金の申請方法

補助金の申請は、公募要領を確認の上申請書の作成、必要書類提出が必要です。

補助金によって書面郵送、電子申請など提出方法が異なるため、詳細はそれぞれの公募要領を確認してください。

助成金とは

助成金は、雇用の維持や人材育成など、労働環境の改善に関する制度が多いことが特徴です。

補助金と異なり、助成金は正しく申請すれば支給される点はメリットですが、支給まで時間がかかることが多く、書類の保管義務があるなど、手間がかかるといったデメリットが考えられます。

メリット・デメリット

助成金は、申請手続きや要件に不備がなければ支給されるため、計画の実施が行いやすい点がメリットですが、支給まで時間がかかるため、実際の取り組みに要する資金は一旦自力で都合しなければならない点はデメリットと言えるでしょう。

助成金の申請方法

助成金の公募要領を確認し、指定通りに申請書を提出します。

その後、助成事業の実施状況の報告書類を作成し提出することで、助成金が交付されます。

環境対策に関する補助金・助成金を有効活用しよう!

環境対策に関する補助金・助成金について解説しました。

環境対策に対する人々の関心は日々高まっています。

環境対策を行うことで、企業価値の向上や、従業員のモチベーションアップ、メディア露出や新事業の創出といったメリットも得られます。

持続可能な社会のため、事業の成長のため、補助金・助成金を有効活用していきましょう。