事業拡大を目指す経営者の方にとって、補助金の活用は必要不可欠です。
しかし、補助金の申請には煩雑な手続きが伴う他、様々な種類の中からどの制度を活用すれば良いのか分からないという経営者の方も少なくありません。
そんな時、補助金申請代行サービスを活用することで、手続きにかかる時間の短縮や、採択率の向上へと繋げることができます。
今回は、補助金申請代行サービス利用時に必要な費用と相場についてまとめました。
補助金申請代行サービスの費用相場
補助金申請代行サービスを利用する場合には、中小企業診断士や行政書士に対する報酬を支払う必要があります。
しかし、事業計画の策定や煩雑な手続きにかかる負担を軽減し、確実に申請を行うことができることから、費用対効果を考えた場合にとても大きなメリットがあります。
ここでは、補助金申請代行サービスの利用に必要な費用の相場と、サービス費用の内訳について解説いたします。
これから補助金申請代行サービスを利用したいと考える経営者の方は、特に参考にしてください。
補助金申請代行サービス費用の内訳
補助金申請代行サービスを利用する際に必要な費用の内訳は、主に申請手続きに取り掛かるための「着手金」と、補助金が採択された場合に受け取る「成功報酬」の2つに分けられます。
ここでは、「着手金」と「成功報酬」について詳しく解説いたします。
着手金
着手金とは、補助金申請代行サービスの利用時に支払うお金で、補助金が採択されたか否かに限らず発生する費用です。
事業者によっては、着手金の支払いを必要としない完全成功報酬制度を設けている場合もありますが、その場合、補助金採択時に支払う成功報酬が割高になる傾向にあります。
補助金は、申請をすれば必ず貰えるものではなく、最大採択件数や予算の都合から、申請代行サービスを利用しても採択されるとは限りません。
事業者によっては、補助金が採択されなかった場合には、着手金の一部又は全額の返金保証制度を設けている場合もあります。
成功報酬
成功報酬とは、補助金が採択された場合に申請代行サービスを行った事業者に対して支払う費用です。
申請を行う補助金制度の難易度(採択率)や、事前に着手金を受け取っているかどうかによっても異なりますが、一般的には、補助金の受給額の20%程度が成功報酬の相場であるといわれています。
基本的に補助金の受給額の中から成功報酬を支払うため、あらかじめ費用を用意しておく必要はありませんが、場合によっては、一件の補助金申請での成功報酬が数百万円から数千万円となることもある点はご承知おきください。
補助金申請代行サービスでできること
補助金申請代行サービスを活用することで、依頼者である事業主が申請することが可能な補助金の選出から、補助金の申請時に必要となる事業計画書や申請書の作成などのサポートを受けることができます。
事業拡大や資金繰りなどに欠かせない補助金は採択された場合のメリットが大きい反面で、申請のために煩雑な手続きが伴うため、本業が疎かになってしまうという経営者の方も少なくありません。
補助金をうまく申請するためには、士業や認定支援機関などの実績豊富な専門家によるアシストは必要不可欠で、是非、補助金申請代行サービスの活用を検討してください。
補助金申請代行サービスを行っている専門家の種類
補助金申請代行サービスは、商工会のような公的機関、金融機関、行政書士や中小企業診断士などの士業、認定支援機関等、様々な専門家によって行われています。
経営や行政手続きのプロである専門家へと相談を行うことで、補助金申請の際にかかる煩雑な手間を省くことができることは勿論、日々の経営の悩みの解決や、新規事業計画の策定など、自社事業の拡大に向けて様々なメリットがあります。
一方、近年では、補助金の不正受給の指南を行う悪質な士業やコンサルティング会社が問題になることがあります。
補助金申請代行サービスを活用する場合には、事前に請負先となる相手方の実績や評判を確認することをオススメいたします。
補助金の種類と申請代行費用の比較
補助金には、様々な種類が存在し、制度によって申請代行時に必要となる費用や特徴なども異なります。
ここでは、代表的な補助金である、ものづくり補助金、小規模事業者補助金、IT導入補助金、持続化給付金の4つについて、申請代行時に必要となる費用の比較や、各補助金の特徴について詳しく解説いたします。
ものづくり補助金代行費用
ものづくり補助金の申請代行費用は、着手金が10万円程度、成功報酬が10%程度が相場であるといわれています。
主に、中小企業診断士や行政書士の専門分野であり、革新的なサービスの開発、生産プロセス改善のために必要となる設備投資に必要な費用の一部が補助されます。
通年50%前後の採択率で推移しており、補助金の中では比較的難易度の高い制度です。
小規模事業者補助金代行費用
小規模事業者補助金の申請代行費用は、着手金と成功報酬を合わせて10万円前後が相場であるといわれています。
主に、中小企業診断士や行政書士が専門分野としていますが、経営計画書・補助事業計画書の作成、商工会議所での要件確認等、採択までにかかる工程が多いことが特徴です。
採択された場合、店舗改装費やチラシ作成費などの販路開拓に向けた費用につき、最大で50万円まで補助を受けることができます。
IT導入補助金代行費用
IT導入補助金の申請代行費用は、着手金が20万円程度、成功報酬が20%程度が相場であるといわれています。
2020年5月に行われた初回の公募でも採択率は40%前後で、採択されるための難易度は比較的高いことが特徴です。
採択された場合、顧客管理ツールの導入費やECサイトの構築費用など、生産性向上や販路開拓に資するITツールの導入費が最大で450万円まで補助されます。
持続化給付金代行費用
持続化給付金の申請代行費用は、給付金の10%程度が相場であるといわれています。
主に、行政書士や税理士が専門分野としていますが、申請書類に不備がなければ100%採択されることから、申請に対するハードルは比較的低く、完全成果報酬型とする場合が多い補助金です。
採択された場合、法人であれば200万円、個人であれば100万円が給付され、事業に関する幅広い用途に活用することができます。
費用対効果で補助金代行サービスを選ぼう!
今回は、補助金申請代行サービスの費用と相場について解説しました。
事業拡大や資金繰りには補助金の活用は欠かすことができませんが、中小企業診断士や行政書士などの専門家に申請を代行してもらうことにより、採択率の向上は勿論、自社にとって最適な制度の紹介を受けることもできます。
既に事業を行われている経営者の方、これから新規事業の立ち上げを考えている方どちらも活用することができる補助金が設けられているため、まずはお気軽に相談されてみてはいかがでしょうか。