コロナ関連の農業者(個人事業主)向け補助金・助成金12選

お役立ち記事

政府により、個人で農業を営む方が活用できる補助金・助成金の制度が設けられています。

個人で農業を営む方にとって補助金・助成金は、高収益作物の生産やWEBなどを活用した販路開拓、農機や貯蔵庫などの設備投資、資金調達、新規就農者の育成や雇用の促進、事業承継など様々な用途で活用することができます。

どのような補助金・助成金を活用することができるのかを知りたい経営者の方は特に参考にしてください。

販路開拓

小規模事業者持続化補助金

「小規模事業者持続化補助金」は、少人数で事業を営む事業主に向けた補助金で、新たな販路開拓や生産性の向上を支援することを目的とした制度です。

農業においては、農場への来客数拡大を目指した看板の作成や、農業体験付き宿泊プランの展開、地元食材を活用した町おこし事業による販路開拓などで本制度が採択された事例があり、農業を軸に新たな事業展開を考える経営者の方にとって活用しやすい補助金です。

対象者 宿泊業・娯楽業除く商業・サービス業
(常時使用する従業員の数 5人以下)

宿泊業・娯楽業
(常時使用する従業員の数 20人以下)

製造業その他
(常時使用する従業員の数 20人以下)

※常時使用する従業員には、会社役員や個人事業主本人、一定条件を満たすパートタイム労働者は含みません。

給付額 補助率3/4

補助上限額100万円

申請期間 第1回受付締切日 2020年 3月31日(火)(郵送:締切日当日消印有効)
第2回受付締切日 2020年 6月5日(金)(郵送:締切日当日消印有効)
第3回受付締切日 2020年 10月2日(金)(郵送:締切日当日消印有効)
第4回受付締切日 2021年 2月5日(金)(郵送:締切日当日消印有効)
第5回受付締切日 2021年 6月4日(金)(郵送:締切日当日消印有効)
第6回受付締切日 2021年10月1日(金)(郵送:締切日当日消印有効)
第7回受付締切日 2022年 2月 4日(金)(郵送:締切日当日消印有効)

経営継続補助金

「経営継続補助金」は、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策を行いながら、販路開拓や事業継続のための設備や農機の導入、働き手不足解消の取組みを総合的に支援することで、地域を支える農林漁業者の経営の継続を図ることを目的とした制度です。

農薬散布用のドローンや農業用ハウス環境制御システム、ヒートポンプなどの導入で本制度が採択された事例があり、「持続化給付金」との併給を行うことでより大胆な設備投資や、販路開拓を目指すことができます。

対象者 農林漁業を営む個人又は法人 ※常時従業員数が20人以下であること
給付額 (1)1~3のいずれかを含む経営の継続に関する取組に要する経費【補助率:3/4   補助上限額100万円】

1.国内外の販路の回復・開拓

2.事業の 継続・回復のための生産・販売方式の確立・転換

3.円滑な合意形成の促進等

  (注)(1)の経費の1/6以上を「接触機会を減らす生産・販売への転換」又は「感染時の業務継続体制の構築」に充てる必要があります。

(2)感染拡大防止の取組に要する経費【補助率:定額   補助上限額50万円】

申請期間 1次受付 2020年6月29日(月)〜2020年7月29日(水) 【郵送:締切日当日消印有効】
2次受付 2020年10月19日(月)〜2020年11月19日(木) 【郵送:締切日当日消印有効】

高収益作物次期作支援交付金

「高収益作物次期作支援交付金」は、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う外食需要の減少により、市場価格が低落する等の影響を受けた野菜や果樹、茶などの高収益作物について、次期作に向けて前向きに取り組む生産者への支援を行い、国内外の新たな需要促進に繋げることを目的とした制度です。

生産・流通コストの削減に向けた取組、土壌改良資材の投入、作業環境の改善に向けた取り組みなどを行うことで補助金を受給することができます。

対象者 令和2年2月から4月の間に野菜、花き、果樹、茶について、

出荷実績がある又は廃棄等により出荷できなかった生産者

給付額
①基本単価 5万円/10a ※中山間地域等では単価を1割加算
②施設栽培のうち高集約型品目の単価
施設栽培の花き、大葉及びわさび…80万円/10a
施設栽培のマンゴー、おうとう及びぶどう…25万円/10a


次期作に向けた下記の1〜3のいずれかの取組を行う場合に、 10a当たり2万円を支援します(最大で6万円)
①新たに直販等を行うためのHP等の整備
②新品種・新技術の導入等に向けた取組
③海外の残留農薬基準への対応又は有機農業・GAP等の取組


高品質なものを厳選して出荷する取組に対して、取組を行った 人数・日数に応じ、1人・1日あたり2,200円を支援します。

申請期間 2021年6月18日(金)〜2021年8月11日(水) 午後5時まで

設備投資

国産農畜産物供給力強靱化対策

「国産畜産物供給力強靭化対策」は、実需者や産地などのサプライチェーンが連携を行い、安価な輸入農畜産物から国産への切り替え、安定的・継続的な供給体制の整備を支援することで、新型コロナウイルス感染症により顕在化した新たな需要に対応することを目的とした制度です。

野菜等の冷凍貯蔵設備や、農産物の加工処理に必要な既存設備の改修、不要設備の撤去などに本制度を活用することができます。

対象者 農業者等
給付額 交付率 1/2
申請期間 2020年7月10日(金)~2020年8月26日(水)17時必着

資金繰り

農林漁業セーフティネット資金

「農林漁業セーフティネット資金」は、日本政策金融公庫により設けられた融資制度で、災害により被災した農林漁業者が、経済的・社会的環境の変化により資金繰りに支障をきたした際に活用可能な資金です。

台風や土砂災害などの災害の他、鳥インフルエンザの発生に伴う家畜の殺処分などの行政指導を受けた場合にも融資を受けることが可能で、金利も上限が0.3%と低く設定されているため、いざという時の資金調達法として活用することができます。

対象者 認定農業者
(農業経営改善計画を作成して市町村長の認定を受けた個人・法人)

認定新規就農者
(青年等就農計画を作成して市町村の認定を受けた個人・法人)

その他
(個人)農業所得が総所得の過半を占める、または農業粗収益が200万円以上の方 
(法人)農業売上高が総売上高の過半を占める、または農業売上高が1,000万円以上の法人

林業経営改善計画の認定を受けている方
その他
(個人)林業所得が総所得の過半を占める、または林業粗収益が200万円以上の方
(法人)林業売上高が総売上高の過半を占める、または林業売上高が1,000万円以上の法人

漁業経営改善計画認定漁業者
その他
(個人)漁業所得が総所得の過半を占める、または漁業粗収益が200万円以上の方 
(法人)漁業売上高が総売上高の過半を占める、または漁業売上高が1,000万円以上の法人

融資限度額 一般:600万円

特認:年間経営費等の6/12以内(簿記記帳を行っており、特に必要と認められる場合)

申請期間 随時

農林経営基盤強化資金(スーパーL資金)

「農林経営基盤強化資金(スーパーL資金)」は、日本政策金融公庫により設けられた融資制度で、農業経営改善計画の認定を受けた事業者の自主性や創意工夫を活かした経営改善を、資金面で支援することを目的としています。

市町村を事務局とする特別融資制度推進会議の認定を受けた事業が融資対象となりますが、個人事業主の場合でも最大3億円まで融資を受けることが可能で、金利上限0.3%で償還期間も25年以内に設定されていることから、長期的な運転資金の確保を行うことができます。

対象者 認定農業者(農業経営改善計画の認定を受けた個人・法人)
※なお、個人の場合、簿記記帳を行っていること、または今後簿記記帳を行うことが条件となります。
融資限度額 【個人】3億円(特認6億円)
【法人】10億円(特認20億円[一定の場合30億円])

※1
このうち経営の安定化のための資金のご融資限度額は個人6,000万円(特認1億2,000万円)、法人2億円(特認6億円)です。

※2
法人の場合、特認のご利用に際しては、民間金融機関からの資金調達などの要件があります。詳しくは、日本公庫までお問合せください。

申請期間 随時

経営体育成強化資金(新型コロナウイルス感染症)

「経営体育成強化資金(新型コロナウイルス感染症)」は、意欲と能力を持って農業を営む事業者を対象として、経営展開を行うために必要な前向きな投資のための資金と、営農負債の償還負担を軽減するための資金を、日本政策金融公庫などの金融機関から長期低利で借り入れることができる制度です。

利子助成を受けることにより、貸付から5年間実質無利子で融資を受けることや、実質無担保・無保証人で貸付を受けることも可能となります。

対象者 農業を営む者(主業農業者、認定新規就農者、集落営農組織、農業を営む任意団体など)
借入限度額 個人1.5億円、法人5億円の範囲内で1から3の合計額 

1 前向き投資資金 負担額の80% 

2 償還負担軽減資金 

3 民事再生法等により事業の再生を行うのに必要な資金 負担額の100%

申請期間 随時

月次支援金

「月次支援金」は、新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態措置・まん延防止等重点措置の影響により、2019年又は2020年の同月比で売上が50%以上減少した中小企業・個人事業主等に対し、事業の継続や立て直しのための支援を行うことを目的とした制度です。

飲食店などの事業者のみならず農業者も本制度による支援金を受給することが可能で、外食需要の減少などにより経済的打撃を受けた事業主の方は、積極的な活用を検討することをオススメいたします。

対象者 対象月の緊急事態措置又はまん延防止等重点措置(以下「対象措置」という。)に伴う飲食店の休業・時短営業又は外出自粛等の影響を受けており、2021年の月間売上が、2019年又は2020年の同月比で50%以上減少した事業者
給付額 給付額 =2019年又は2020年の基準月の売上ー2021年の対象月の売上
中小法人等 上限20万円/月
個人事業者等 上限10万円/月
申請期間 4月・5月分:2021年 6月16日~8月15日
6月分:2021年 7月1日~8月31日
7月分:2021年 8月1日~9月30日
8月分:2021年 9月1日~10月31日
9月分:2021年 10月1日~11月30日
10月分:2021年11月1日~2022年1月7日
※原則、対象月の翌月から2ヶ月間を申請期間となります

人材育成・雇用

雇用調整助成金

「雇用調整助成金」は、産業構造の変化や景気の変動などにより事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、従業員の雇用の維持を図るために支出した休業手当に要した費用の一部を助成することを目的とした制度です。

2021年度においては、新型コロナウイルス感染症に伴う特例措置も設けられており、休業の他、教育訓練や出向による一時的な雇用調整を実施した場合にも助成金を受給することができます。

対象者 受給するためには、次の要件のいずれも満たすことが必要です。

(1)雇用保険の適用事業主であること。

(2)売上高又は生産量などの事業活動を示す指標について、その最近3か月間の月平均値が前年同期に比べて10%以上減少していること。

(3)雇用保険被保険者数及び受け入れている派遣労働者数による雇用量を示す指標について、その最近3か月間の月平均値が前年同期に比べて、中小企業の場合は10%を超えてかつ4人以上、中小企業以外の場合は5%を超えてかつ6人以上増加していないこと。

(4)実施する雇用調整が一定の基準を満たすものであること。
〔1〕休業の場合
労使間の協定により、所定労働日の全一日にわたって実施されるものであること。(※1)
※1 事業所の従業員(被保険者)全員について一斉に1時間以上実施されるものであっても可。

〔2〕教育訓練の場合
〔1〕と同様の基準のほか、教育訓練の内容が、職業に関する知識・技能・技術の習得や向上を目的とするものであり、当該受講日において業務(本助成金の対象となる教育訓練を除く)に就かないものであること(※2)。詳しくは 教育訓練の判断基準[PPT形式:209KB]別ウィンドウで開くをご参照ください。
※2 受講者本人のレポート等の提出[PDF形式:658KB]別ウィンドウで開くが必要です。

〔3〕出向の場合
対象期間内に開始され、3か月以上1年以内に出向元事業所に復帰するものであること。

(5)過去に雇用調整助成金の支給を受けたことがある事業主が新たに対象期間を設定する場合、直前の対象期間の満了の日の翌日から起算して一年を超えていること。

給付額 (1)休業を実施した場合の休業手当または教育訓練を実施した場合の賃金相当額、出向を行った場合の出向元事業主の負担額に対する助成(率)
※対象労働者1人あたり8,265円が上限です。(令和3年8月1日現在)

中小企業…2/3
中小企業以外…1/2

(2)教育訓練を実施したときの加算(額)
1人1日あたり 1,200円

申請期間 判定基礎期間終了後、2か月以内。

緊急雇用安定助成金

「緊急雇用安定助成金」は、新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年4月1日から2021年4月30日までの「緊急対応期間」に、雇用する労働者へ休業等(教育訓練・出向等を含む)による一時的な雇用調整を実施した事業主に対し、要した費用の一部を助成することを目的とした制度です。

農業を営む個人事業主も本制度を活用することが可能で、職業訓練を実施することで農機の運転技術習得や、農作物の生産力の向上などに役立てることができます。

対象者 2020年4月1日〜2021年4月30日までの「緊急対応期間」に新型コロナウイルス感染症の影響により、労働者に対して休業等を実施した事業主。
給付額 日額上限15,000円
申請期間 「支給対象期間」の末日の翌日から2ヶ月以内。

農業労働力確保緊急支援事業

「農業労働力確保緊急支援事業」は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う人手不足により、農作業に支障が出ている農業経営体等に対して、農作業の経験がある即戦力人材や他産業で活躍する人材を代替として受け入れ、農作業に従事させることを目的とした制度です。

受け入れ予定であった技能実習生等に支払うはずであった経費を超えた部分が補助の対象となり、交通費や宿泊費、保険料等の費用を調達することができます。

対象者 新型コロナウイルス感染症の影響で、予定していた人材が来られず農作業に当たって人手不足になった経営体が対象になります。
給付額 交通費 月3万円以内
宿泊費 6,000円/泊以内 10万円/月以内
保険料 実費
労賃 500円/時間以内(10時間/日)
申請期間 2022年3月31日まで

事業承継

肥育牛経営等緊急支援特別対策事業

「肥育牛経営等緊急支援特別対策事業」は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う外食需要の減少により経営環境が悪化する畜産農家に対し、優良な肥育牛の生産や出荷延期に伴う掛かり増し経費の一部を支援することを目的とした制度です。

インバウンド需要の減少により特に深刻な打撃を受けるブランド牛生産者の経営体質の強化を課題としており、出荷頭数に応じた報奨金の受給や、特別資金の緊急貸付を受けることができます。

対象者 農業・畜産業等を営む方
給付額 1.肥育生産支援
○ 畜産農家が、肥育生産の計画を作成し、経営の体質強化に資する取組メニューに 2つ以上取り組んだ場合、出荷頭数に応じて2万円/頭を交付します。 ※枝肉価格が前年同月比30%(40%)下落した場合に取組メニューに3つ以上

取り組んだときは、4万円/頭(5万円/頭)を交付します。

2.計画出荷支援
○ 生産者集団が、やむを得ずまとまって出荷時期を調整し、計画的に出荷を行う場合、 その出荷頭数に応じて、掛かり増し経費(定額)を交付します。

3.肉用牛肥育経営安定交付金(牛マルキン)の生産者負担金の納付猶予
○ 牛マルキンの生産者負担金の納付猶予を実施します。(国費分(3/4)の交付)

4.畜産特別資金の緊急貸付け
○ 通常の貸付日(5月末日及び11月末日)に加え、当面の間、毎月末日を貸付日 として、緊急的に融通します。

申請期間 ①牛マルキン加入者 2020年7月10日~2020年7月24日まで
②上記以外     2020年7月10日~2020年8月4日まで